フブンリツ 6 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「殺人の悪魔」グラシャ=ラボラスさんは、「文学の悪魔」として、『杜子春』の物語を私の脳に直接チャージしてくれた。

※以下、ネタバレ注意


「…いい話ですね…。
確かに、鬼が自分の親を金棒で叩いてるのを見て、沈黙を守れるわけないわ…。
そんな物で手に入れた財産もまた幻だと思う。」

「最後に一軒家と畑を与えたのが『身の丈』なんだろうな。
まぁ、中国古来の『杜子春伝』はもっと残酷で救いがないが、それをアレンジしたのが芥川龍之介の力だな。」

白いマルチーズが芥川龍之介を解説する姿に、私はクスりと笑い、物語と相まって親への憎しみが和らいだ。

「やっぱり…幸せって、お金や医学部とかじゃないし、悪魔との契約で無理矢理不幸を断ち切るものじゃないのかな…?」

「お嬢ちゃんがその答えを早急に出す必要はねぇさ。
だが、お父さんとお母さんの問題は待ってくれないほどの状況だな。」

グラシャ=ラボラスさんは、私に明るい未来を示して「希望を胸に」なんてことを言いませんでした。
それは彼が悪魔だからかはわかりません。

「とりあえず…私は私の出来ることをします。
特に今日は貴方のおかげで書くことがいっぱいだわ!」

と、私は腰掛けてベットから立ち上がり、学習机に向かった。

「何でえ、まだ宿題やってなかったのかい?」

「違います、日記です。」

「日記?」

「私ね…ホントは医者になりたくないんです。絵本を書く仕事に就けたらいいなって。
パパやママにも言ってないことを学校で相談したら、『物書きは毎日、日記を付けなさい』って言ってくれたんだ。」

「へぇ、いい先生も居るじゃねぇか?」

「ううん、用務員のおじいちゃんだよ。クラスメートや家の事で悩んでると、何も言わずお茶を淹れてくれたんだ…。」

「そうか。で、こっちの棚が過去の日記帳か?」

「か、勝手に見ないでください!女の子のプライバシーです!」

いくらマルチーズの姿の悪魔でも、言葉が解る以上、恥ずかしいです。

「依頼主の調査の範囲さ。
と、言ってもこの肉球はページがめくりにくいな…。」

と、言った瞬間、彼は赤紫色の光に包まれ…。

「変身魔法は苦手だ…。」

大好きな映画「ニックオブタイム」のジョニー・デップみたいな男性が
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私の目の前に!

「気にせずにお嬢ちゃんは日記を書いてな。」

気にします!続