フブンリツ 4 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

誰も本当のパパを知らない。
みんな優秀な歯医者のパパが悪いことするはずない、って思い込んでる。

おばあちゃんも、近所の人達も、私の先生も警察も。

でも、これが現実なんだよ。
学校では女の子を苛めた男の子は先生に叱られるのに、どうしてパパだけ許されるの?

(神様!助けてください!)

「で?お嬢ちゃんは母親が父親に殴られてるのに、ベットで布団を被るだけかい?」

私と契約した「悪魔」、言葉を話すマルチーズのグラシャ=ラボラスさんがキツイ口調で言った。

「だって…。
私がパパを止められるわけないじゃない…。
だから貴方と契約したんじゃない!」

「怖いか?」

「そりゃ…怖いわよ…。」

「上出来だ。
『怖い者は怖い』
強くなるにはまず弱さを知ることだ。
よし、俺と一緒に下の階に行ってお母さんを助けに行こう!
大丈夫、ソロモンNo.25「殺人の悪魔」グラシャ=ラボラスに不可能はない。」

今の私には私よりも弱々しく見える、白いマルチーズだけが味方でした。


パパは普段は落ち着いてて、優しくて、物知りで自慢のパパです。
私を大切に育ててくれてるのは十分にわかってます。
でも、一度気に入らないことがあると、直ぐにママに爆発させます。
ママに関係ない仕事の怒りまでも、ママに向かいます。

遥か昔…もう何歳だったかも忘れたけど、一度だけパパに向かって

「ままをたたかないで!」

と言った時、パパはいつも以上にママに…。
きっと、私はその日から自室に篭るようになった。
全てが聞こえてない世界、存在しない世界と思うようになった。

でも…どこかで救いを求めていた。
だから私は「喫茶ロビンフッド」を訪ねてグラシャ=ラボラスさんと契約した。

下に向かう階段は一瞬で私の記憶をフラッシュバックさせた。

(殺してやる!
私にはグラシャ=ラボラスさんが居るんだから!)

「パパ、止めて!
ママに手を上げないで!」

「これは大人同士の話し合いだ。
お前には関係ない。
お前は医者になる勉強をしていなさい!」

「そうよ、私のことは心配しないで。お父さんは悪くないのよ。貴女はちゃんとお勉強してればいいの。
ママはバカだったから貴女はそうなっちゃ駄目よ。」

「…パパなんて大嫌い!
でも、ママの方がもっともっと大嫌い!!」

グラシャ=ラボラスさんは私の叫びに反応して飛び出した!
しかし、「犬らしく」キャンキャンと吠えるだけだった