美しき空は春の色~中編。 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

前編を読んで無い方は、先にそちらを

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部活が始まるまでの間、ウチは悔しくて、腹立たしくて、情けなくて、暫くトイレで泣き明かした。

気持ちは落ち着いても、腫れたウチの目を見た部員達は…。**
女子サッカー部ロッカールーム
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「どうしたの?美空ちゃん?」

ウチを合わせて7人の一年生の中で、真っ先に心配してくれたのは、ウチの一番の親友伊達さやか。
成績優秀な生徒会書記やけど、運動神経は厳しくて、現在控えのゴールキーパー。
けど、男子のキーパー柿崎先輩と付き合えてる?一年女子一番のリア充。

「何でもないねん、ちょっとな…。」

「わかった!テニス部の雨森の奴でしょ?美空ちゃんを泣かすなんて許せない!私が張り倒してやる!」

「あかん!ツネちゃんが本気出したら大惨事や!ええねん、はっきり断らんかったウチが悪いねん!」

ツネちゃんこと吉岡常子ちゃんは、チーム一番の怪力と巨漢で、男子フォワードの193センチ、赤松竜を吹っ飛ばすパワーディフェンスが売り物です。
他校のサッカー部員で、竜の親友(限りなく恋人の様に振る舞う、事実上ウチの最大のライバル)安国寺慶太くんを好きやねんけど…。

「あ~、でも告白って状況は羨ましいかな~?」

「ちょっと、由梨絵。それどういうこと?」

「あぁ、違うの。男なんてどうでもいいのよ。シュチュエーションに憧れただけよ。」

「ホントに?」

左サイドバックの佐々木由梨絵と、セカンドトップの宮本真知子はとても仲がええねんけど…多分まだ健全な領域やと…思う。

「腕を捕まれ…て…。怖い、やっぱり男子って怖いです!」

チーム一大人しい宍戸華(ししど はな)ちゃんはボランチです。
元手芸部で裁縫が得意だから重宝がられてるけど、男性恐怖症さえ治せば、飛躍的成長を遂げるかな?

そして最後の一人が…。

「何それ?自業自得じゃない!
赤松くんも、雨森くんも困らせてるの貴女じゃないの!」

吐き捨てる様に部屋から出て行ったのはさやかの双子の姉で、チーム一番のテクニシャンの伊達まどか。
竜と安国寺くんのBL展開をいつも笑っとったけど…。
バレンタインにウチらに内緒で竜にチョコレート渡したり、何かと怪しい行動を取るし…。

でも…まどかの言うことは間違うてない。
ウチの中途半端な態度がまどかにも雨森くんにも迷惑かける。
どうせ今度の合宿は男女別々なんや。
フラれてもええ、覚悟決めな…。続