最終聖戦の戦士達10 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

12月31日 20:58
「奈々子さん、遂に貴女の力を借りる時が来ました。
もう、この方法しかありません。」

「信じてるわ、星明。」

****
ライヴの最大のイベントが遂に始まった。
2014年のカウントダウン。
星明は観客の「意思」が統一されるこの時が最も危険だと予測した。
そしてそれを防ぐには「ゼロの唱和」の前にこちらが手を打つしかなかった。

「10」

「9」


「私はどうすればいいの?」

「何もしなくて構いません。
ただ私と同じ気持ちで居てください。」

「そんなの当然じゃない。
愛してるわ…私は消えない!」

「8」

「7」

『来れ!第6の罪「傲慢の魔王」ルシファーよ!』

「6」

「5」

重ねた星明の口唇からパワーというかエネルギーが私の体内に流れ込むのがわかる。
ステージ上から私達を確認したASMOちゃんは舞台袖のベルフェゴールくんに合図を送り、会場が闇に包まれ、彼女のマイクがオフになる。

これが魔力?ううん、私は愛そのものだと思う。

「4」

「3」

私自身がまばゆい光に包まれたと感じた時に、私の意識は深い奥底に眠った!
****

「何これ?」

「サプライズイベントって奴?」

「凄い光!」

突然の出来事にドーム内はザワついたが、どこか整然としていた。
それは煌めく光と、12枚の翼を持つ『魔王』いや、『天使長』がステージに降臨したことへの畏敬だった。

「…久しぶりですね…アスモデウス。直ぐに貴女とわかりました。」

舞台に上がり、傍らにいるアスモデウスにしなやかな笑顔で声かけするルシファー。
召喚は成功だ。

そして沈黙を破ったのは…。

「ハハハ、大成功だ!カウントダウン終了前に召喚された時は驚いたが、僕は遂にやった!
バハムートの召喚に成功したぞ!
ASMOちゃんのマイクに召喚を促すプログラムを入力し、55000の観客の意思が統一されるこの時を狙ってたのだー!」

興奮のあまりステージに上がってきたスタッフ。
長い棒状のマイクを持ち続けたので音声さんと言う奴か?
とにかく「珊瑚」の残りの片割れ「瑚」が尻尾を出したのには間違いなかった。
「マルバス、貴方が直接手を下してなくても、かつての仲間が死に、貴方の技術が悪用されても、人間の精神の中に隠れ、『技術供与だけ』を言い張るのは『傲慢の罪』以外何物でもありません。消えよ、己の罪を悔いよ!」

トチ狂う男に手をかざす。