「今日はホントにありがとうですぅ!」
「ASMOちゃん可愛いね~!
非常事態なのはわかってるけど、そんなの忘れさせるパフォーマンスね~。
パイモンちゃんと久美子も来れば良かったのに。」
「仕方ありません。
二人ともネット上の監視をしたいと申されましたので。
連絡が入らないのは、ガブリエル姉さんとレビアたんの作戦は成功したようですね。」
典型的なゴシックロリータの衣装に身を包み、自称「永遠の13歳」と言い張る彼女は、「イスラエルの妖精」との触れ込みほど気位は高くなく、外国人ミュージシャンにありがちな『流し』の要素はまるでなく、大物アーティストというより、声優のイベントに近かった。
「それでは、次はせっかく日本に来たので、特別に日本の歌を歌いたいでーす!」
日本の歌ということで会場が一気に盛り上がる。
私達が観てるアリーナ席の前列は、今にも柵を乗り越えんばかりの勢いで、警備員の方が必死に押さえていた。
「ホントは日本の歌姫をリスペクトして、彼女の歌にしようかと思ったのですが、ご存知の通りASMO は…」
『(せ~の)えっちぃのは嫌いです!』
申し合わせたようなASMOちゃんの決めセリフをドームの観客一体になって唱和する。
「は~い、日本語でもちゃんと言えたです!
では聞いてください!『創聖のアクエリオン』です。」
ま、まさかのアニソン?
「星明、ASMOちゃんがこんな曲歌うって知ってた?」
「知るはずありません。
ただ…この歌詞はアスモデウス的にノンフィクションですね。」
『♪一万年と二千年前から愛してる~♪』
「あらゆる記録の中で、はっきりと『悪魔』としての記述が残るのはアスモデウスが最も古いので。」
「そっかぁ、最古の悪魔が『姦淫の魔王』つまり結婚の番人ってのも驚きよね。
確かに他人の家庭壊すより、アイドルに夢中になる方が健全だわ。
ある意味最強の魔王様ね…。」
「まぁ、今でこそ

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12月31日 20:55
「みんなー!2014年の年明けをカウントダウン出来きることがホントに嬉しいです。
運営の都合で三時間早く気分を体感するだけですけど。」
来た。星明の予測が当たってれば、『瑚』はここで何かするはず