12月28日 朝
人間界に来てから約3ヶ月。
こんなに落ち着いた目覚めは初めてかもしれない。
これもブエルの…いや、たくさんの部下のおかげだ…。
今日は休日。休みの日に魔界に帰らないで凄そうと思ったのは初めてかもしれない。
奈々子殿も今日は休みだが、そのことが余に取って何の変化をもたらさないことは正直、悲しい。
「あの時、ああしとけば、この休日を奈々子殿と一緒に…。」
などと、頭に過りはするが、過去のことだ。
余は…今出来ることをするのみ…!
「来れ!ソロモンNo.9『威厳をもたらす悪魔』パイモンよ!」
余の忠実なる下僕、バティンは(人間界で)余に仕える対価として、パイモンの召喚を切望した。
個人的には不安要素が尽きないが、部下が望むことを叶えてあげられずに、奈々子殿との恋を実らせることが出来ようか?
余は…忠義の士、バティンを信じ、これから召喚されるパイモンを信じるのみ。
「ASMOちゃん、どうしてサタン様はパイモンの召喚を拒んでたの?」
「直ぐにわかるです。
でも、女の私としては、パイモンの召喚に二の足を踏む気持ちはわかるです。
でも、バティンはそれを十二分に踏まえてサタン様に進言したはずです。」
明け方に帰ってきたアスモデウスとベルフェゴールは、カウントダウンライブの『ネット中継』がシステムトラブルで中止になったことを帰ってくるなり散々文句を言ってたが、昨晩とは違う余の雰囲気に驚き、落ち着いて眠りに着いた。
それでも余はいつもの時間に起床した為に、ほんの二・三時間の仮眠になってしまったようだが…。
「そういえばベルゼバブ様は?」
「ベルゼバブ様は、裁判の傍聴です。ミカエル様によって逮捕された『盗みの悪魔』ウォレフォルの審判を見届けるそうです。
それと同時にガブリエル様に協力依頼をするそうです。」
(さすが…魔界の副将軍にふさわしい働きぶりだ…。)
と思っていたら、魔方陣が輝き、美しき褐色肌の巨乳美少女悪魔が実体化した。
「サタン様ー!パイモン嬉しい!
やっと召喚してくれた!
パイモン、もうサタン様から離れない!ずっと一緒に居る。
人間の姿のサタン様もパイモン気に入った!」
「ASMOちゃん…?サタン様が召喚をためらってたのって…?」
「そうです。パイモンは契約内容をしっかり理解させないと、とても騒がしい悪魔です。
しかも…。」
「見ての通り余のことが好き過ぎるのだ…。」