(今朝の登校時)
「山南先生、突拍子も無い質問ですけど、『子供の時に金髪の英国少女からスコーンを貰ったり、お願いを叶えて貰ったこと』ありますか?」
「本当に突拍子も無い話だな、栗原。
大人として『ない。』と断言してしまうのは簡単だが…。
教師として『あったかもしれないが思い出せない』と言っておこう。
記憶とは物理的損傷を受けない限り意外と憶えているもので、ただ思い出せない、思い出さないだけとはよくあることだ。『思い出は永遠に』というやつだ。
君達にはまだ早い話だったかな?」
「あ…。いえ…。」
「では私からもお返しに突拍子も無い質問だ。『人間以上になんでも出来る神様はどんな願いをお願いするでしょうか?」
「なんですか?神様なら万能だからお願い要らないじゃないですか?難し過ぎです先生!妙子ちゃん、賢司くんわかる?」
「わからないです…。」
「ははは、すまない。では『神様』を天使や悪魔や妖怪に変えても同じだ。
大ヒントは栗原、お前の名前だよ。」
「燿子さんの名前が?余計わからないです。」
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結局わからなくて答えは後日って先生は教えてくれなかったけど…。
それより時間がないわ!
今が15時だから日没を18時としてあと三時間でサミアちゃんの真名を当てないと!
なのになんで『魔女っ子戦隊テッペキ!』のDVDが観たいなんて言うの?
お金持ちの妙子ちゃん家には何でも揃ってるけど…。公園で暮らしてたサミアちゃんが普通にテレビ観たい気もわかるけど、今じゃなくても…。
「ワシからのお願いじゃ、妙子。無人島編でナイトメア将軍が京子に『夢渡り』をする回をDVD版で観たいのじゃ。」
待って、これってサミアちゃんからのヒント?
レビアたんと賢司くんの契約で、サミアちゃん側から過去や記憶を話せないから…。
『夢渡り』ってまさか…。
「ふ~ん、妙子ちゃんってDVD まで持ってるのは地上波で規制がかかったシーンが観たいから?」
「も、森崎くん、誤解です!え、えっちぃシーンが目当てじゃなくて、同封のカードと声優さんのインタビューが…。
サミアちゃん、今観ないと駄目?と、特にこの回は絡みが無修…。いえ、そこまでの無修正じゃなくて…うわぁ~ん、ごめんなさい!」
「…賢司!とくと見よ。そして見抜け!
ワシからはそれが限界じゃ。」
(30分後)
「今日の僕のお願い『サミアちゃんの明治時代の記憶の中にダイブさせて』」続