サミアちゃんが視えた人間は、明治時代のお兄さん以来、僕達だけなんだよ?
なのに何で、魔法で願いを叶えてあげることがサミアちゃんのエネルギーになるのさ?」
やっぱりサミアちゃんが視えた子供は、まだ他にいたのかな?
サミアちゃんにとってただそのお兄さんが思い出深いだけ?
どちらにしても何かイラっとするけど…。
「私も仮説の域を出ないけど、『私達から』自然に認識したのは130年ぶりくらいだけど、きっと『サミアちゃんの方から』子供達に関わった子供達はたくさん居たのよ!」
「その通りじゃ。
砂の妖精のワシの方から姿を見せて、声をかけた子が殆どじゃ。
激動の明治初期、国内の戦乱は落ち着いても、子供達は飢えていた。
異国の姿をしたワシが出す異国の食べ物に子供達は日没までとはいえ、夢中になったものじゃよ。」
「でも、その子達はどうして…。」
たくさんの子供達に食べ物を与えたなら、どうして今までサミアちゃんは有名にならないのだろうか?
「ワシから姿を見せた場合は、日没とともに、ワシと魔法の記憶を無くすんじゃよ。
ワシはそれでも良かった。
子供達の明日の力になれれば。
そしてカツヒロが笑顔が喜んでくれたら…。」
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「クレランシの蛇」と言ってね…。
運命の輪を操る蛇はトラブルと仲違いを引き起こすの。
勿論、あたしの別名よ♪
で、その運命の輪が規定の方向と違った方向に回る原因が…。」
「『嫉妬』なんですね、レビアたん…。」
「そうよ優秀ね、妙子ちゃん♪流石あたしのご主人さまね。
悪魔は対象者の能力を増減させるけど、あたしみたいな魔王クラスは『人間社会全体』に干渉出来るの。」
改めて感じた嫉妬の魔王・レビアたんの能力。
まさか私のパパや賢司くんのお父さんが関わって、あの妖精さんを追い出すなんて…。
朝一でレビアたんに起こされて、
「さぁ、時間みたいね♪」
「…工事が始まって…賢司くんと燿子さんは関係者に注意されて、摘まみ出されそうなのに抗議して…。」
『お願い!ここにはサミアちゃんが居るの!工事を止めてください!』
「レビアたん、私は何もここまで…。」
「何言ってるの、妙子ちゃん?
望み通り『引き裂く』だけよ♪
妖精は排気ガスと騒音で弱ってるから、君がペットボトルの水をかければ、完璧ね♪さぁ!」