サミアちゃんのご高説20 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「タロット…ですか?」

『嫉妬の魔王』レビアたんが私に渡したカード。
描かれてたのは「女教皇」でした。

「あたしと契約するなら持ってて♪」

契約…。カールクリラノースくんが『嫉妬』を担当する貴女を紹介したということは、私の心は嫉妬が原因なのでしょうか?
燿子さんや、サミアッドの妖精さんに対して羨ましい、妬ましいって思う気持ちをカールクリラノースくんは見抜いてたんですね…。

「『女教皇』のカードの暗示は、潔癖性、少女性、一義的な正義や知識のみの先行よ。
誰かさんに当てはまるんじゃあない?」

レビアたんの言葉は的確でした。
勉強ばかりしてた私は、嫌がらせをしてくる同級生を心のどこかで見下してました。
なのに燿子さんの様に元気で活発な人を羨ましく思い、悪魔のカールクリラノースくんを召喚して…。
もしも彼が自分の儲けしか考えない悪魔なら、私は燿子さんの命を危険に…。

でも、今の相手は人間じゃない。
妖精に心奪われた賢司くんの正気を取り戻す為だわ。
賢司くんには一度妖精さんに離れてもらって、本当に相応しいのは、私か燿子さんか決めてもらえばいいんだわ。
人間と妖精との恋なんてあり得ないに決まってるわ!

「妙子ちゃんだったね?
何ならソロモンNo.17『調停の悪魔』デュロスやNo.8『強硬交渉の悪魔』バルバトスを紹介してもいいんだよ?」

レビアたんが強引に契約を勧めないのは、魔王の威厳なのでしょうか?
私の方が悪魔だわ…。

「お願い!レビアたん!賢司くんとあの砂の妖精・サミアッドを引き離して!」

「サミアッド…?ふぅん、これはこれは…。
じゃ契約ね。妙子ちゃん、貴女は私の友人、ベヒーモスの花嫁候補になってもらうわ。
それが契約よ♪」

ベヒーモス?花嫁?何ですか?私、魔界でお嫁さんにさせられるの?あの…妖精と別れさせても、自分が魔界に行ったら…。

「安心して、ベヒーモスの花嫁候補は何百人と居るし、貴女みたいな子供を気に入るはずがないよ。
儀式的なものよ!
契約破棄しない限りね…。」

「なんだぁ…良かった。」

「ではサインよ。」

カールクリラノースくんと同じく、パピルスの紙にサインしました。

****
「もう、三日も何も変化ないです。」

女教皇のカードに話かければ姿を現すレビアたん。

「慌てない!『運命の輪』は着実に回ってるわ。」
****
「賢司く~ん、送迎バスの発着場所の変更案内だって~。」