「私は夢の中に住む妖・インキュバス。
皆様の願いが叶えられず『将軍』を名乗ることが出来ようか…。
邪念ヤリティエさえチャージ出来れば、学園の校舎ごと帰還させてみせます…。」
「ちょっと、将軍、傷はいいの?」
「ええ、雷呪文は傷よりも、追加の麻痺効果が厄介で、解呪するのに苦労しましたが、亜空間を広げるほどの魔力は残っていません。
だから、京子、柳生さん、南部さん、瑞穂さん、さやかさん。お願いします、貴女達の飛びきりの邪念を是非ともわたくしに…。」
ホントにそれで助かるの?
何だかただ将軍の趣味のような…?
「…それしか方法がないなら仕方あるまい…。
私はやるぞ…。」
「瑞穂!」
「士郎とキスしたいぞ!」
恥ずかしさに耐えて『邪念』を叫ぶ瑞穂。
一般の生徒も見ている中でこれはキツいよ~。
でも将軍のロザリオは確かに反応した。
「その調子です。
もっと邪念を!」
「クレープ屋アルケを貸し切って、柿崎店長から接客されたい!」
さやかちゃんが行った~。
やっぱりクレープ屋さんを推してたのはそういう理由ね。可愛い『邪念』だこと♪
「相良さん…。恥ずかしいから…。
一緒じゃ…駄目ですか?」
「いや、嬉しいよ、恵里菜さん…。じゃあ一緒に…せーの!」
『ずっと二人で!』
今までで一番ロザリオが輝いた!これって普通の「願掛け」じゃない?「希望」と「欲望」の境目が…。
あっ、そっか…。なんだぁ、私自分で答え出してたじゃない…。
「本当の魔法は祈りだ。」
って…。実際、私達のアイアンマテリアルはグングニルの中に溶けちゃったけど、普通の女子中学生でも「魔法」を使えてるわ…。
「次は私ね。
『私だけの真田さんで居て!』」
やったぁ、ロザリオが強く輝いたわ!届いて…。私の想い…。
「じ、自分だけ…は、恥ずかしがってる状況でないですね…。これも修行…。」
ためらいながら顔を真っ赤にしてロザリオを握る南部さん。
南部さん、あんまり過激なのは…。
「蒼磨さまから…(以下自主規制)!」
やっぱりかい!幼稚園児を避難させてて良かったです。
その時、私達の元に集まった先生と生徒達。
「これなら僕達にも出来そうだね。手伝うよ…。」
片倉先生、大谷先生!
「ずっと守られっぱなしなんて嫌やわ。
ウチらもやれることはやりたいわ!
行くでぇ
『ええかげん、卒業したい!』」
「やりました、亜空間解除に成功です!」