ザ・ラストバトル3~さやかの大役。 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

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このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「曲がりなりにも『神』相手に勝てるとは思ってませんよ。」

身体の中心に槍が刺さり、倒れたままのナイトメア将軍が作戦の内情を明かす。

「それでは貴様等は最初から雷槍(グングニル)を奪うのが目的で…。」

かつてないほどの狼狽を見せるフレイア。

「ええ、この中の誰もが貴女を倒せる力を持ち合わせてはいない。
だからこそ、貴女を倒せるのは貴女が操るこの槍しかないと思ったんですよ。
多少、無茶な賭けでしたが…。」

「まー君のバカ!身体に穴を開けてまで囮になることないでしょう?」

「いえ、こうでもしないと、『闘神オーディーン』の隙を見つけることは出来ません。
さぁ、アイアンジャスティス。
準備は整いました。雷属性の貴女ならグングニルを扱えるはずです。
早く私の身体か『新武器』を引き抜き、フレイアを倒してください。」

「わ、私が…。」

突然の大役にジャスティスが戸惑うのも無理はない。
でも…。

「ジャスティス、お願い、今こうしてるだけでも真田さんは苦しいし、一人であいつを押さえてる大魔王も、いつまでも持たないわ。
せめて早く槍を引き抜いて。」

ナイトメア将軍、真田さん、まー君。
呼び方なんてどうでもいい。
私の大切な人が無事でいて…。

「わ、わかりました。私はやれることをやります。」

決意の眼差しで彼に刺さった槍に触れようとするジャスティス。
でも…。

「あぁ、言うまでもないと思いますが、手の平に電撃魔法を溜め込んでから握らないと、いくら貴女でも感電…。」

「ビリビリ!!」

「痛~い、痺れた~!ピリピリする、ピリピリするよ~。もう!大事なことは早く言ってよー!」

ジャスティス、敵の武器に不用意過ぎでしょ…。

「はい、以前、私にお見舞いした『雷鳴拳』を放出した状態で槍を握るのです。」

「ホントだ、今度は大丈夫だ、じゃあ、抜きますね…。
エイ!」

引き抜かれた途端に、私達と同じ赤い血が溢れる。

「さぁ、ジャスティス。チャンスは一度です。
大魔王様ごと、相手の心臓を貫くのです!」

将軍が明かした衝撃の作戦。
大魔王もジャスティスの様子を見て体勢を変える。

「正義の戦士よ。構うな!
さぁ、私の心臓の位置が丁度この女の急所と同じだ!」

死を覚悟していたのは大魔王も同じだった。

「さやかさん、私は雷属性だから貴女を指名したのではありません。
この中で唯一、非情に割り切れるのは貴女だけです。」