ソロモンは72の悪魔を使役したとありますが、ファンタジーで有名な「サタン」「ルシファー」「ベルゼバブ」は含まれていません。
漫画、アニメで人気者の美しき悪魔「アスタロト」はソロモンの鍵では29番目の悪魔、17世紀に出版されたソロモンの解説書「ゴエティア(ゲーティア)」では27番目に紹介されています。
悪魔を「軍団化」したのは世界最古の宗教ゾロアスター教です。
ゾロアスター教に登場する「アンラ・マンユ」が六大悪魔を率いて光の神の陣営に立ち向かう話が起こります。
面白いのは、アンラ・マンユが生み出した悪魔が持つ属性が、ユダヤの十戒や、キリスト教の七つの罪と大きく違う所です。
その六大悪魔とは
アカ・マナフ(悪思)
ドゥルジ(虚偽)
サルヴァ(悪の王国・無秩序)
タローマティ(背教・無信仰)
タルウィー(灼熱)
ザリチャ(油・渇き)
の六大悪魔です。
また、7大悪魔とも解釈される場合もあり、アエーシュマ(激怒)を含めることもありますが、アエーシュマは、親玉のアンラ・マンユと同一との見方もあります。
面白いのは「灼熱」や「渇き」が入ってることです。
これはもう、熾烈な砂漠での生活環境が影響してることは容易に想像できるでしょう。
話をユダヤ教のソロモン王72の悪魔に戻しますと、悪魔序列一番は「バアル」です。
バアルは元々、北イスラエル王国で外国から入ってきた多神教の神です。
ヤハウェのみを信仰するユダヤ教にとって、「悪魔」とされました。
旧約聖書の「列王記」には450人のバアル信者と、ユダヤの預言者エリヤが対決するシーンがあります。
そもそもバアルとは「神」という一般名詞で、それぞれがそれぞれの「バアル」の偶像を作って信仰していたのです。
キリスト教では魔王サタンが「憤怒」の属性を持ち、映画「セブン」でも、怒りは最後の罪でした。
ゾロアスター教でも激怒が最大悪でしたが、十戒では殺人を禁止してますが、怒りそのものの禁忌に触れてません。
思うに、ユダヤ教にとって偶像崇拝は勿論ですが、「数」とか「無限」が一番の悪に感じたのでは?
誰もしもがヤハウェに通じる「1」に帰依しないことを「悪」「罪」としたのでは?と私は解釈します。
ユダヤ人はバビロニアによって奴隷生活を送りますが、ハンムラビ法典の「野放し」さが余計にユダヤの戒律を強くしたのでは?と思います。
まぁ、大陸文化は殆どが性悪説ですね。