ダビデは、親友ヨナタン王子の妹ミカル姫を妻にし、ユダヤ二番目の王となった。(サウル王の四男でヨナタン王子の弟・イシュ・ボシュテが即位していたとの説も)
ミカルを奥さんにしたのは、くすぶり続けるサウル王支持者との融和でもある。
さて、ダビデ王は民衆の期待どおり、素晴らしい王になった。
エルサレムを首都とし、そこにレバノン杉の宮殿を建設し、モリヤ(モーリヤ)の丘には、牛さんが返してくれたヤハウェの箱を奉納した。
首都エルサレムは信仰の中心地になる。
が、しかし…。
ヤハウェに愛された名君も、晩年に入り運命の歯車が狂いだす。
ある日、森を散歩するダビデは、泉で沐浴する女性バテシバに出会ってしまった。
「そこの女、名をなんと申す?」
「バテシバ…。」
月の引力の様に惹かれ合う二人。
しかし、バテシバは前線で戦う軍人、ウリヤの妻だった。
そのことを知りながら関係を持ってしまったダビデ王。
過ちは一度きりではなく…。
「あぁ、私の愛しいバテシバよ。
私は王だ。
そなたのどんな願いでも叶えてあげよう。
不可能はない。」
「では、ダビデさま。
どうか私の苦しみをお知りください。
実は私…貴方様の子供を…。」
「バ、バテシバ…?」
「夫・ウリヤは戦地へ行ったきりです。
このままでは私は…。」
「わかった。
では直ちにウリヤを前線から戻そう。
あいつの子ということにしよう。」
望まぬ子という不倫の代償に良心が傷むダビデ王。
ウリヤ帰還でめでたしかと思いきや…。
「この臨戦状態で大切な仲間を置いて私だけ帰れません。」
「馬鹿な!?ウリヤが帰還を断っただと?
駄目だ、もう時間がない。
こうなったら、最激戦地にウリヤを赴任させよう。」
それはもう、かつての英雄の姿はなく、私利私欲に王権を濫用するダビデでした。
「部下が死ねば残された妻は王の意のままだ。」
願いとおり、ウリヤは戦士します。
しかし、このような理不尽な行いを、元祖理不尽(?)ヤハウェが許すはずありませんでした。
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はい、ゴリアトを倒した英雄(上記写真)とは別人のようです。
しかし、王の散歩が日課ならば、コースの範囲内で沐浴してるバテシバって…計算?
なお、エルサレムとは「平和と安らぎの都」という意味で直訳は「平安京」です(笑)。