(ヨシュア記7章)
ヨシュア軍はエリコを陥落しても、約束の地カナンのもう一つの大都市「アイ」を攻略出来ずにいた。
若き指導者ヨシュアは、苦戦の原因をヤハウェに問い質した。
「アイの攻撃は失敗したか…。
エリコは上手くいったのに…。
ヤハウェよ!
アイをなかなか陥落出来ません!
我々は何か間違っているのでしょうか?」
お伺いを立てるヨシュア。
しかし、ヤハウェの答えは…。
「誰かが戦利品を着服している」
との回答でした。
横領は立派な十戒違反です。
(汝、人の物を欲しがるな)
(汝、人の物を盗むな)
早速、犯人の割り出しにかかるヨシュア。
各部族にクジを引かせ、当たりクジを引いた者が横領の犯人だとヨシュアは断言した。
クジを当てたのはひ弱なそうな青年アカンだった。
彼の所持品を調べると、たくさんの財宝を隠していた。
彼は「石打ちの刑」で処刑され、盗んだ宝物はすべて火で焼かれました。
「問題は解決した!
あとは我に秘策あり!」
アイを統治する王に向かって進軍するヨシュア。
しかし、これは囮だった。
敵の迎撃を見計らって本隊を城下町に進めるヨシュア。
あれだけ苦戦していたアイを陥落したヨシュア。
「ヤハウェは我々に微笑んだ!」
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はい、クジ引きはどうやらユダヤ人にとって「ヤハウェの意志を知る」とても神聖なものみたいです。
また、着服者アカンは石打ちで処刑されましたが、遊牧民のユダヤ人にとって、投石は家畜を獣から守る有効な技だったそうです。
羊を襲う狼に対して、石を投げて守るのはとても合理的です。
1 遠距離射程の武器で狼のスピードに対抗する。
2 連投することで、群れに対抗出来る。
3 投石で狼は死なない。
追い払うだけで殺生はしない。
これは肉食の獣を食べてはいけないというユダヤの戒律に合致し、とても合理的です。
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しかし、パレスチナとイスラエルの争いでは、アラブ系の人がユダヤ系の人に侮蔑の意味を込めて投石行為をします。
日本ではどんなに争いの歴史があっても、投石行為をしないのは、武士道なのか、誇りなのか、他者への敬意なのか…。
この後は
「士師サムエル」
が続きます。
サムエルはユダヤきっての英雄・ダビデ王を見出だした人物です。
最盛期のユダヤをどうかお楽しみに。