「なんで、事前に、言わなかったんだ!」
「あん!あっ、駄目…。敗戦のショックが残るまー君に相談しにくくて…凄い!」
「そうか…。すまない…。」
「いいよ、続けて…。
軽音部救済案は私と三好先生で詰めてたんだけど、選挙演説で柳生さんにあんなことしたまー君を見て計画を前倒ししたの。
あん!いい…。
勿論、まー君にゆっくり休んでほしかったんだよ。
私だったら交渉に夏休み丸ごとかかったかもしれないのに、たった4日でまー君は解決するだから…ホントに凄いわ…あうっ、こっちも凄いけど…。」
「それにしても、あんなに憎たらしく俺を解任したのは、まさか逆上した俺に、今ここで『仕返し』されてる所まで計算してたのか?」
「そんな!島さんや南部さんじゃあるまいし、私にそんな下心ありません!
ほら、攻守交代よ!
私ばかり足腰立たなくなったら、明日の試合が不平等よ!」
「京子は元から戦力外だろ!」
「ヒドイ!明日はまー君だって、本職じゃないんでしょ?!」
「ハハッ、そうだな。新会長と新キャプテンの初ミッションだ。
楽しもうぜ!」
「明日でまー君は一人の生徒になるんだよね。
ホントにお疲れ様。
まー君はまー君だわ。
変わらずに愛してる。」
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「あの~、俺、ホントにスポーツは苦手で…。」
「いいのよ、西九条くん。
これは相良キャプテンと柳生会長発案の『引退式』なの。
戦力うんぬんじゃなくて、愛ちゃんの彼氏ってのが大事なの!」
「お、俺と里見さんは別に…。」
「そうなの?じゃあ私と付き合う?そんなら私も試合出れるし。」
「真樹ちゃん、簡単に大事なこと言うなです!
西九条くんは私とのカップルです!」
「……。」
「あっ、いえ…違うです。カップルというのはこの試合のペアという意味で…。」
全く、世話が焼ける二人だこと。
そう、夏休み前に三年生男子の引退式として
「男子vs女子カップル対決」
が実施されました!
勿論、サッカー部以外の彼氏さん、彼女さんを無理矢理参加させて(笑)。
一橋先輩も島先輩の彼氏さんも快く参加してくれました!
京子先輩に三好先生まで!
そして女子チームのキーパーはさやかちゃん。
そう、男子チームから右手の怪我が治ってない柿崎くんがディフェンダーで参加してくれました!
と、いうことは…?
うん、何かね~『お試し期間』みたいでいい感じなのよね~あの二人!
おかげで私は応援です(笑)。続