「では、以上の貴重な証言を十分に考慮して、現生徒会長の真田正行のリコール請求の是非を問いたいと思います。
先ほどの様な破廉恥行為を繰り返す真田は会長に相応しくないと思う方はご起立お願いします!」
「お、おい京子。
冗談が過ぎるぞ?
何で俺がこんな目に?
俺は柳生ちゃんもさやかちゃんの事も…。」
「わかってるわ、まー君。
私に任せてよ!」
京子が怒ってる時は口角だけで笑う時だが、今の京子は本物の笑顔だった。
それにだけわからない。
「武田くん、榎田くん、逃げないようにちゃんと捕まえててね。」
「おう、協力するぜ京子ちゃん!」
「お前ら、敗戦で落ち込んでたんじゃないのかよ?」
「では結果を申し上げます!
起立多数と見なし、真田のリコール請求は成立しました。」
失職したよ!
ギリギリで柳生ちゃんとさやかちゃんを守った結果がこれかよ!
酷い!
不当判決だ!
「すまん、京子…。
保健室に行かせてくれ…。」
夢遊病者の様に保健室に向かう真田先輩は私とすれ違ったことに気付きませんでした。
「はい、ここでもう一人の候補者の伊達さやかさんが手当を終えて戻ってきました。
候補者演説を再開したいと思います。」
「おい内藤!
いい加減にしろ!
貴重な授業時間を割いてまで…。」
「いい加減にするのは貴方よ、竹中先生。
軽音部の廃部も貴方が教頭に進言したんですって?
そんなに学年主任のポストが欲しくて?」
「三好先生、私は…。」
「貴方も神保先生の手当を受けた方がいいわね!」
生徒指導にして、体育教師の竹中先生の身体が、三好先生の巴投げを喰らい宙を舞う!
いつものマイクロミニでそんな技を披露するから、前方の男子生徒は大興奮です!
再び朝礼台に昇る前に、脇に居る柳生先輩に頭を下げる
「ごめんなさい、柳生先輩。
私、私本当に…。」
「私を強くしてくれたのはさやかちゃんだよ。
最後まで諦めないで!
私の一票はさやかちゃんに投票したいな!」
「柳生先輩…ちょっと、今、泣かされたら演説出来ないですよ!」
「で、どうして謝ってるの?」
「私、柳生先輩が大好きです。」
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「伊達さやかです!
先ほどはお恥ずかしい所をお見せしましたが、私が掲げるのは、
危険な刃から身を挺して学園と生徒を守った、柿崎亮太さんの意思を汲み、
『一人はみんなの為に、みんなは一人為に』
の精神で学園を改革したいと思います。」