「い、今更私が校庭に戻って、誰が話を聞いてくれるって言うんですか?
私の気持ちがわかったなら、私にもう戦う理由が無いことくらいわかるでしょう?」
パパにもぶたれたことないのに!
ケガをしてない左手での加減の無い平手打ち。
痛み以上にその言葉が痛くて…。
「ごめん、女の子を殴るなんて最低だな俺。
赤松を責める資格ないよ。
でも、さやかちゃんにもこの歓声が聞こえるだろ?」
「…ウソ?もう、かなり時間が過ぎてるのに校庭から笑い声が絶えない…。」
「先輩達がさやかちゃんが戻って来るまで場を繋いでんだよ!」
「どうして…?」
「『みんなは一人の為に』なんじゃないか?」
「柿崎先輩、何でそれを…。」
「行け!さやかちゃん。」
「は、はい。
やれるだけ精一杯やります。」
「その前に柳生さんにしっかり謝れよ!」
「わ、わかってますよ!」
「さやかちゃんがしっかり戦い抜いたら…。」
「戦い抜いたら?」
「いや、それは選挙が終わったらだ!」
「あ~ん、気になります!」
柿崎先輩、ありがとう。
柳生先輩、ごめんなさい。
本当は二人とも大好きなんです…。
みんなの力を借りないと私って何にも出来ないんだね。
でも、今だけはまどかも美空ちゃんも赤松くんも私に勇気を貸して!
あとでちゃんと返すから。
保健室を出て校庭に戻り、その雰囲気に驚いた。
そこには内藤副会長の司会による、真田会長のリコール請求が実施されていた。
そんな!真田先輩はどうせあと三日で任期満了なのに!
「後輩を相手しなくても、私に言ってくれたらドレスを脱がされた創部記念パーティーの続きをしましたのに~」(山名理恵)
「勉強教えてくれたお礼に『私をどうぞ』って言っても全然召し上がってくれないの~。」
真田先輩への想いを壇上で告げる三年女子達。
それを手際よく仕切る内藤先輩!
そして男子は妬みから真田先輩を糾弾する。
「真田、何でお前ばかりモテるんだー!」
「面白いね、瑞穂。
君も証言したら?」
「いいのか士郎?」
「真田くんには過去に辛酸を舐めさせられたからね…。
このチャンスを逃す手はないよ。」
「わかった。
京子、マイクを貸せ!
私は真田に二回も『脱げ』と迫られたぞ!!」
生徒達がいいかんじに盛り上がってきた所に最高のタイミングで登場した高坂先輩の問題発言!
「そんな~真田先輩って、瑞穂さまにまで手を出してたの?」