翌日
放課後 練習前
1年2組の教室の前に訪れた三年生女子の集団。
目の覚めるような六人の、様々なタイプの美少女達にクラスメイトは足を止めた。
六人の三年生女子の中で一番小柄な女子が不機嫌そうに腕組みをしながら言った。
「…ここに間違いないないな…?」
「間違いないですわ瑞穂。
ウチの倫も、赤松くんもこのクラスですわ。
まず、私が倫を呼びましょうか?」
「…要らん…。」
え~と申し遅れました。
僕が芹沢倫です。三年生女子サッカー部の最上由紀の彼氏です。
赤松くんの陰に隠れて、これでも前回の件では三好先生を呼びに走ったんですよ!
外から聞こえる先輩達の声で、目的は赤松くんとわかったので、僕の方からは声をかけずに様子を見ています。
だって怖そうだもん。
赤松くんは気付かずにクラスメイトと談笑してます。さすがに先輩達が廊下に来てること言おうかな~?って思ってたら…。
「…赤松…帰るつもりか?
…私に足を運ばさせるとは…いい度胸だ…。」
怖えぇ…!ガチで怖いよ高坂先輩。
150センチのフランス人形みたいな女の子が193センチの巨漢フォワード相手に睨みを効かしてるし…!
「何でスか?
俺、部活禁止だから帰るだけでス~。事件の事は担任に話しました~。」
「来るなって言われたら、自分から行かないわけ?
何で昨日のうちに柿崎くんや、三好先生や部員達に謝りに来ないわけ?」
「恵、落ち着きなさい。
話してわかる子じゃないわ。
武田くんや榎田くんならイジメになるけど…。」
「こうやってお姉さま方が部活にお迎えに来たのを文句言っちゃ駄目じゃない♪」
「島の言うとおりだ。
山名、足払い…!」
「は~い、ごめんなさいね。」
「痛て!」
赤松くんの巨体が一瞬で転がった!
巨乳の山名先輩は、三好先生から盗んだ技で、近づく男をやっつけるってホントだったんだ!
「…南部、捕縛…!」
「哈っ!」
倒れた赤松くんを手際よく縛り上げてる!
「赤松さん、どうか仲間の気持ちを汲んでやって下さい。」
「そうよ~。南部ちゃんにとって男を縛るという、逆の趣味をする行為がどれだけ苦痛なことか!
これは大きな借りよ!」
「島さん、『逆の趣味』とは、私が男性から縛られたいみたいではありませんか!」
「違うの?」
「それは好きな人だけです!」
「……。」
「ウワァ~ン」
疾風の如く一人の男子が女性陣に拉致されました。