生徒会室
「一応こんな感じだな?
辞書を抱かせて清楚かつ知的な柳生さんを描いたが。」
「なるほどです。イラストも流石です。
ですが私は長身で中性的な力強い恵里菜を意識して、サッカーユニフォームでシュート決める姿を描いたです。」
生徒会室で現職の真田会長と内藤副会長の支援を受けながら対策を練る。
そこに里見愛ちゃんが友人(?)で美術部の西九条くんを連れて生徒会選挙のポスター原画を持ってきてくれました。
二人ともこんなに私をカッコ可愛く描いてくれて嬉しいなぁ。
「あ、ありがとう西九条くんにまで協力してくれて…。」
ストイックな雰囲気に話しかけ辛いけど、お礼は言わないと…。
「君の彼氏の相良が喜ぶことには協力したくないんだがな(笑)。
まぁ、事情が事情だ。
俺はやれることはやる。」
優矢くんを喜ばせたくないって、確かに二人は会えば口喧嘩ばかりしてますが…。
まさか西九条くんは私を好きなんでしょうか?
だから優矢くんと悪口を言い合って、愛ちゃんと未だに付き合わないんですか?やはりこんな綺麗な絵を描けるのは愛情のなせる技?
どうしよう、愛ちゃんに何て言おう…。
「あぁ、恵里菜、気にするなです。純な気持ちを伝えただけです。
あっ、いえ『純』は彼の名前ではないです、純粋という意味で…。」
「俺は愛ちゃんって呼んでるぜ。
母さんが『聡美』だから『さとみさん』って呼ぶの恥ずかしいんだよ」
な~んだ、やっぱり二人は順調にラブラブそうですね。
「で、それはさておき、どちらを採用するですか?
決めるのは恵里菜です。」
う~ん二人とも上手いから迷います。
「両方採用出来ないの?
二種類のポスターって駄目なの、まー君?」
京子先輩も二人の絵の上手さに驚いて、どっちも採用したいみたいです。
でも…。
「あぁ、流石にそれは選挙違反だ。
でも、二枚の絵を一枚にまとめれば問題ない。」
「なるほど、ハーフ&ハーフね!
さすがまー君!」
「ちょうど話を聞いてて、柳生ちゃんの伝えたい想いをキャッチフレーズにしてみたんだ。
『生徒達が自分で決める学園を目指す』なら…。
『目指すのは自立と自律』
ってのはどうだ。二枚の絵で『自立』と『自律』を掲げるんだ。
規制なくても、オートマチックにルールが守られる世界『自律』それをサッカーしてる柳生ちゃんで表現するなんて俺はいいと思うぜ。」
私はたくさんの人達に支えらて幸せ者です