(出エジプト記2章)
世界中(恐らく中東及び北アフリカの範囲)に及んだ7年の大飢饉。
その間にユダヤ人避難民がエジプトに入植してきた。
当初は問題なく暮らしていたが、次第にその数は増え、やがてエジプトの社会問題にまで発展していきました。
しかもヨセフの時代の※ヒクソス朝は滅び、王権はデバイス朝の物となっていました。
時のファラオはユダヤ人増殖に歯止めをかける為に恐るべき法を出した。
なんと、これから生まれるユダヤ人の男の子を全員をナイル川に投げ込むというのだ。
震え上がるユダヤ人。
次男を産んだばかりのユダヤ人女性ヨケベトもそのひとりだった。
「坊や。どうか生き延びて!
ヤハウェの加護のあらんことを…。」
泣く泣く赤ん坊を乗せた小舟を流すヨケベト。
しかし、運命の皮肉。
下流で待ち受けていたのは、ユダヤ人を迫害しているファラオの王妃だった。
「まぁ、何てカワイイ赤ちゃん。」
偶然ナイルで沐浴していた王妃一行に引き取られた赤ん坊。
そして指名された乳母もユダヤ人女性であった。
20年後。
「作業が遅れている。
ユダヤ人の働きが遅いからだ。
あと7日なんて遅過ぎる。
俺なら3日で仕上げさせる。」
「ラムセス、それでは彼らの身体が持たない!」
「モーセ兄さんはいつもユダヤ人の肩を持つね。
ユダヤ人の乳母に育てられた影響ですか?」
「…違う俺は…。」
(モーセさま。あなた様にはユダヤの血が流れています。
ご先祖の血を誇りに思ってください。)
「立て!ユダヤ人!」
「何をしている!夜中まで働かせることないだろう!」
「ラムセス王子の命令です。」
「やめろ!」
勢いで作業監督を石で撲殺してしまったモーセ。
義母と義弟と王家を捨てエジプトから逃亡するモーセでした。(続く)
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※ヒクソス朝はブロ友さんから、ヒクソス=異民族と教えていただきました。
ヨセフの時のファラオも異民族だったのかもしれません。
デバイス朝はエジプト人純血主義を目指してたのかもしれませんね。
しかし、土地を持たぬユダヤ人問題は3000年も抱える難題で、計算高く他者に対して排他的な一面があります。
ナチスドイツに限らず、ヨーロッパ諸国が共同でユダヤ人を一ヶ所に移住させる計画があったことは、けっこう知られていないのです。
ナチスを悪者にするのは簡単ですが、欧米のゴリ押しのイスラエルを建国した責任は?って思います。