スタディorステディ5~テッペキ!アナザーストーリー | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

女子ロッカールームはいつの間にか私と柿崎先輩のマンツーマンの勉強部屋になってました。

意識し過ぎな私に対して淡々と勉強に打ち込む柿崎先輩。
サッカーの時と同じで真剣なその表情にますます私は…。

でも全く私を意識しないってのも…どうなんだろ?

「あぁ、違います。IndirectlyのInは『中』じゃなくて否定の意味で、『直接』にInをつけることで、反対の意味になるんです。
だから『直接』の反対は?」

「間接?」

「大正解です!
この法則けっこう使えますよ。Sensitiveの反対のInsensitiveとか。」

「それってどういう意味?」

「先輩みたいな人です!」

「なんだよ、どうせ悪口だな(笑)。
ありがとう伊達ちゃん。
今日は遅いし、これくらいにしようぜ。」

「は、はい。ありがとうございました。」

「今日は伊達ちゃんがコーチだよ。
俺の方がありがとうございましただよ。
さっ、帰ろうぜ!クレープでも奢るよ。」


「えっ、先輩と?」

「悪ぃ、予定あった?」

そうじゃないんです!
まさか下校まで先輩と一緒だなんて!
柿崎先輩はホントに気にしないんですか?
そんなに私は意識されない子供なんですか?


「じゃ、このイチゴティラミス入り下さい。」

私には何もかも初めて。
同じ通学路が別世界だわ…。

「DVD観ましたよ!ホントに凄いキーパーですね!」

「あぁ、レッスンビデオとか見ずにプロになった選手も、シュマイケルのビデオは持ってるって話だぜ。」

「柿崎先輩も?」

「あぁ、俺もあと観るのは自分の試合のビデオくらいだな。」

「えっ?先輩のビデオ?観たいです!絶対貸して下さい!」

「しまった、オウンゴールしたな(笑)。
だったら、伊達ちゃんも演劇部なら自分のビデオとかあるだろ?貸してくれよ!」

駄目ですよ、昔の私なんて…。
でも嬉しい…私が演劇部って憶えてくれてたなんて…。

「先輩が英語で平均点越えたら貸してもいいですよ!」

「わかった!約束だぜ!」

「それと…さやかじゃ駄目ですか?」

「え?」

「テスト後には姉のまどかが復帰します。同じ伊達ですから…。」

「わかった。」

「クレープごちそうさまでした。
じゃ、テスト頑張ってくださいね。
あっ、包み紙捨てときまーす。」

と言いながら大切に持ち帰った記念の包み紙。
それに私はサインした。
Insensitive無神経!