半熟トリオのPK戦4~テッペキ!ハイスクール 31 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「まー君、瑞穂、柳生ちゃん。ごめんね遅くなって~。」

『西九条くん!!』

な、何で…グランドに…?

「お、おい、6組の西九条ホントにきたぜ。
じゃあ、宇都宮さんから下校に誘ったって噂ホントかよ?」

「な、何故あんな男がモテて俺には彼女居ないんだー!」

「内藤先輩の許可を頂きました。
ラフにスケッチさせていただきます。」
「凄い、里見さんの絵ばっかり…。」

「伊達ちゃん、外野は気にするな。
俺達のプレーをすれば大丈夫だ!」

「ピッチの外は外野って言うんですか?」

指導に熱が入り、柿崎くんは遂に「俺達」と言ったです。
やはり男子はこれくらい情熱的で紳士的な態度でないと…。
京子先輩が連れて来た男とは大違いです!

いや、それよりも…。

「やった、やりました先輩!
私、また止めましたー!」

あぁ、自信というのは人間の能力に多大な影響を与えるようです。
私のミスキックを防いだことで、伊達ちゃんは構えから雰囲気が変わっていたです。

「ウソ…何で…。」

真樹ちゃんのミスキックでは無いです。
突然現れた西九条くんの姿にも動揺してなかったです。
強いて言うなら…軸足です。
真樹ちゃんは右足で自分の右手方向に蹴る為に、中央から助走し、蹴る直前に軸足の左つま先を右手方向にステップしたです。
それにより身体を巻き付けるようなトルネードシュートを撃ったですが、助走の勢いを殺したことに違いなかったです。

「一本目の感覚で跳んでみましたが、今回は勢いに負けませんでした!」

伊達ちゃんの言葉が的確に言い当ててるです。
真樹ちゃんに足りなかったのは勢い。
ならば…。

「里見、四本目、右下、行くです!」

「な、斜め?
愛ちゃん、そんなのあり?」

簡単な答えでした。
右足で右手方向に強く蹴りたいなら、最初からゴールに対して斜めに助走したら良いだけです。
必ずしも、ゴールラインに対して垂直に助走しなければならないルールは無いです!

「と、届いてー!
あ~、駄目…。」

やったです!斜めからの助走の勢いを活かして伊達ちゃんの防げないシュートを撃てたです!

「やるじゃない、西九条くんもその雄姿をしっかり描いてくれてるはずよ。
もう、二人の答えは出てるんだろうけど、私は私のベストを尽くすわ。」

「私もです。
ここで手加減することはサッカーへの冒涜です。
悔いの無い一本を蹴るです。」

宇都宮○×○×
里見 ○○×○