アーティストはお年頃 2~テッペキ!ハイスクール 22 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

下校時刻
校門前

「恵里菜、まさかとは思うですが、嫌な予感がするです。
先に様子を見て来てほしいです。」

愛ちゃんは過度に美術部の西九条くんを警戒してるみたいです。
言われた言葉で傷ついたとしても、ライヴ誘ってくれるなんて情熱的で好い人だと思うんだけどなぁ。

「どうでしたか、恵里菜?」

「うん、ちゃんと校門前に居たわ。
愛ちゃんをライヴに誘う為に、帰り道を狙ってたみたいね。」
いいなあ、私と優矢くんはほぼ同時に恋愛感情が芽生えたから、一方的にアプローチされるって憧れかも。

「ええい、なんというしつこい男ですか!
そのしつこさを向ける相手は私じゃないはずです!
と、とにかくここに居ても帰れないですから、覚悟を決めて断りを入れるです。。」

「愛ちゃん、本当にそれでいいの?」

私の目には情熱的なのは寧ろ愛ちゃんの方に映っていました。
真樹ちゃんの問題がなければ、愛ちゃんの方が西九条くんを過剰に意識してる様に思えました。
でも…。

「わかった。
俺が話つけてくるよ。
里見さんに近付くなってな。」

「優矢くん、ケンカは駄目だからね。
冷静でいてよ!」

「わかってる、西九条は小菅の友達だった。
任せろ。」

優矢くんは感情が高ぶりやすい性格なのでそこだけは心配なのですが…。

先に優矢くんが校門前で待っている西九条くんに話かけ、私達は離れた所で見ています。

「西九条、石膏像以外に、愛情を注いだ人間の女性が里見さんとは驚きだな!」

「…相良か。
小菅がドイツへ行って、エースの座が転がって来て良かったな。」

「お前には関係ない。」

「お互いさまだ。俺もお前には関係ないと思っている。」

「関係は大有りだ。
里見さんは俺の彼女の親友だ。
迷惑かける奴は許さん!」

「相良…。ピッチ外のイエローカードは止めておけ。
俺はお前のプレーに躍動感は感じるが、小菅ほどの芸術は感じん。」

西九条くんの一言で優矢くんの表情が変わった!
大事になる前に、優矢くんの腕を掴んででも逃げなきゃ!って思ったら…。

「西九条くん?
相良くんと友達だったんだぁ?」

真樹ちゃんが来ちゃった!
ど、どうしよう?
想定外だわ!

「相良くん、恵里菜と帰るんだよね?」

「ああ、待たせてるさ。」

「そう。ねぇ、西九条くん。お話終わったなら、私と帰らない?
迷惑じゃなければ…?」

隣の愛ちゃんは泣きながら部室に戻りました。