それぞれのペア事情
キーパー編
「私達はペアがいないから、この二日間、榎田先輩を独占できて私は幸せです。」
「オイオイ、結城ちゃんには彼氏が…。」
「あ~、変な風に考えたでしょう?
三好先生に言っちゃっおうかな~?」
「心理戦は試合前から始まってるみたいだな?
たくましくなったな!結城ちゃん!」
「みんな榎田先輩のおかげです!」
サイド&控え編
「宇都宮はやはり来てないか…。
ここまでの奴だったか…。
京子、ユニフォームに着替えて宇都宮の代わりに小菅の練習相手をしろ!」
「断っても強引にピッチに立たせるんでしょう?
もう着替えてます!
てか、男子には控えの選手が7人もいるのに、宇都宮さんや里見さんが抜ける度になんで私で補うの?」
「…あいつらはあくまで男子の控えだ…。
男子の競争の中でチャンスを掴んでこそ意味がある…。」
「ホントに瑞穂ったら強引なんだから…。
あの、小菅くん…。宜しくお願いします。
何か、君と二人で話すのって初めてよね?」
「は、はい、宜しくお願いします。
内藤先輩は書道部なのにいろいろとサポートしてもらって感謝してます。」
「感謝してるなら瑞穂をちゃんと男らしく捕まえなさい!」
「内藤先輩、僕は別に…。」
「瑞穂は誰よりも小菅くんの成長を願ってる、そんなのみんな知ってるわよ!
あっ、宇都宮さん来たわ!
じゃあ、交代するね。」
「高坂先輩、中島主将、三好先生。
申し訳ございませんでした。
私、もう一度頑張りたいんです!
軽音部と可能な限り時間を調整しますから、もう一度チャンスを下さい。」
「宇都宮さん、『軽音部を辞めてきた』なんて軽く言ったら、私は空気投げをお見舞いして追い返してたわ!
精一杯やりなさい。
いいわね、高坂さん?」
「11人ちょうどしか居ないからな…。
せいぜい京子に負けないように頑張れ…。
期待してないわけではないぞ…。」
「あらあら、瑞穂ったら昨夜は宇都宮さんが心配で『何で勝手に帰らせた?』と随分私に怒ったのは誰?」
「最上、ここでそれを言うな!わ…私は別に…。」
「最上さんて凄い…。
三好先生やまー君より瑞穂の扱いが上手い…。」
「あ、あのう内藤先輩…。
せっかくユニフォーム着たんだし、俺達控え組と練習を…。正直、気の強い女子部員に較べて内藤先輩は控え組の天使です!」
「京子、モテるじゃん?」
「まー君茶化さないでよ!」