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最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

それは突然の出来事でした。
本来喜ぶべきはずなのに、私は素直に「応援する」と即答出来ませんでした。

「恵里菜、私、本気になったです…。」

私達と同じ女子サッカー部で、左サイドバックがポジションの里見愛ちゃんが恋をしたのかもしれないのです!

愛ちゃんは同性の私から見ても、私以上のオタク女で、漫画研究会と掛け持ちの女の子です。

私と違うのは本当に二次元しか興味ない…。って思ってたのに…。
これは一年女子全員でこの恋を実らせないと…。
って思ってたのですが…。

「でも、彼女が居る人を好きになるのは許されないです。」

なっ、何よそれ?
あの引きこもり体質の愛ちゃんが彼女居る男を好きになったの?
誰よ、誰?
極端に交友範囲が狭い愛ちゃんなら直ぐに誰かわかるわ!
女子以上にオタク揃いの漫画研究会に彼女持ちの男子が居るとは思えないし…。
じゃあ、まさかサッカー部で?
翔子ちゃんの彼氏は他校のサッカー部だし、茉奈ちゃんの彼氏は野球部だし…。

えっ?じゃあ、まさか…。落ち着きなさい、柳生恵里菜。
あるわけないわ、愛ちゃんが私の最愛の相良優矢くんを好きなんて…。

とりあえず翔子ちゃんに相談だわ。



それは突然の出来事でした。
「翔子ちゃん、私、本気かもしれない。」

どんな時でも仲間を応援したかった。
でも、私は当たり障りなく、「止めといた方がいいよ。」
と言ってしまった。

だってアイドルユニット並の美人揃いの女子サッカー部の中でも(あっ、私は普通くらいですよ。)一番の美人と呼び声高い右サイドバックがポジションの宇都宮真樹ちゃんが同性に恋をするなんて!
軽音部でヴォーカルを担当し、文化祭ではアイドル的な人気を誇る。
常々、男子から告白されては「恋愛は面倒くさい」って断り続けてきた真樹ちゃんが…まさか、まさか高坂先輩を好きなんて!

確かに私のクラスにも高坂先輩が好きな女子はたくさん居るし、私もカッコイイと思うけど…。
でもそれは本気の恋愛とは別次元の…。
駄目、私の手に負えない事態だわ…。
とりあえず柳生ちゃんと茉奈ちゃんに相談だわ…。



「むぅ…。真田、どう見る?」

「お前と同じ意見だな、高坂。」

「やはりウチは島、柳生、中島の攻撃陣に較べて守備が貧弱だな。
中盤で山名が抜かれると、あとはキーパー結城頼みになるのが痛いな。」

「みんな初心者にしてはよくやってる。けど、守備は経験が左右するからなぁ。」