「本当はドイツ行きが決まったお兄様の為にチョコを渡すつもりが、『瑞穂の好きな男の為なら、私は喜んで協力するぞ』って私以上に張り切りおって…。
おかげでお兄様に殆ど作られて、タイミングを逃して渡せずにドイツへ行かれてしまったよ…。
それ以来、バレンタインもチョコレートも嫌いなんだ…。悪いな宇都宮。
だが、お前の気持ちは嫌いではないぞ…。」
「いえ…、高坂先輩の過去の話が聞けて嬉しかったです。
それに…私の気持ちも…もっと完全に拒否されるかと思ってたのに…。ありがとうございます…。」
「礼を言いたければお前はもっと練習しろ!
軽音部と掛け持ちだろうが私は手加減せんぞ!」
「はい、私これからも頑張ります!
ありがとうございます高坂先輩!
これからも私の憧れの先輩で居て下さい!」
「あら…翔子ちゃん以外にも相変わらずモテモテね。」
「やめろよ真理亜、これは一年女子の合同だし、結城ちゃんには今川高校の彼氏が居るよ。」
「言ってみただけよ徹、バレンタインっていいわね。
毎年若返った気分になるわ。」
「今も若いだろ。」
「あら、言葉だけで言われてもわからないわ♪」
「今夜証明してやるよ。」
「期待してるわ…。」
「あれ~?まーくんって意外とモテないんだねぇ、一年女子達から合同で渡された一個だけなんだ~!」
「うるせっ!モテると愛されるは別なんだよ!
まぁ、榎田は別格として、武田に負けたのは少し悔しいけどな。」
「武田くんはテニス部や新体操部から何だかんだと好かれてるからね~。
中島さんもけっこうその辺オープンだし。
仕方ない!モテない生徒会長様には、慈悲深い副会長様がチョコレートを渡そうではありませんか♪」
「京子…。お前、それが言いたいだけで、俺が見てない所で無茶すんなよ!」
「ばれてたか…。」
「そういう所も含めて愛してるぜ、京子。
俺には京子が居てくれるだけで十分だ。」
「私も…まーくんを愛してる。」
と言うわけでテッペキガールズのバレンタインデーは特に波乱も無く、お互いのパートナー同士と仲良く幸せに過ごすのでした。
あっ、でも波乱と言えば、一年の宇都宮さんが曲がりなりにも瑞穂に「告白」したこと、これが新たな物語の始まりとなるかもしれません。
続きは次回連載の「テッペキ!かるてっと」で。
それと島ちゃんは本日欠席しました。
前日に彼氏さんと身体にチョコを塗るプレイで蕁麻疹を…。