12月21日(金) 7:00
懲りずに俺は今日も朝練に参加しようとしている。
本当なら少しでもテスト勉強をするべきなんだろうけど…。
こんな俺だからきっと柳生さんは…。
「おはよう相良くん!いつもこんなに早いんだね。
凄いなぁ~。今日から私も参加するわ。」
「柳生さんも朝練を?何で?」
「サッカーが好きなこと以上に理由は無いと思います。
まぁ敢えて言うならこの前のトリプルカウンターアタックをやってみたくなっただけです(笑)。」
「柳生さん…。」
「おはよう柳生ちゃん、女子の朝練参加は君が初だよ。
よし、トリプルカウンターアタックやってみるか?」
「はい、真田先輩、是非お願いします。」
「じゃあウイングよりストライカーの方が簡単だから、相良のセンタリングにダイレクトでシュートしてみな。
相良、柳生ちゃんにシュート決めさせる為に死ぬ気で走ってシュートし易い極上のパスを出せ!」
「真田先輩、ハードル高いですって!
でも柳生さんとサッカー出来て嬉しいよ…。」
「私も…。」
「ほう、俺は眼中に無い二人の世界だなぁ、追いつけないボール蹴るぞ相良~。」
「何で真田先輩はそんなに勉強もサッカーも生徒会も頑張れるんですか?」
「京子を愛して、京子に愛されてるからに決まってんだろ、ほら走れ!」
12月20日(金)14:00
「龍造寺先生申し訳ございません。
私の監督不行き届きで…。」
「ホッホッ、いや真理亜ちゃんが謝ることじゃないわい。
先方の親御さんも話の解る方で良かった。『若い子供達にケンカは付き物ですから。』と言っておったわい。
最近はもんすたーぺあれんととかが急増しとるからこの老体が休まる暇が無いわい。」
「波多野くんの家族への謝罪を任せてしまい申し訳ございません。」
「いやいや、恵里菜ちゃんに理恵ちゃんに瑞穂ちゃん。
今年は特に活きのいい女子生徒がおって働きがいがあるわい!
真理亜ちゃんの若い時みたいにな~。」
「やめて下さい。私はもっとおしとやかでした。」
「ホッホッ、サッカー部に全く顔を出せんからこれくらいさせて貰うわい。
輝くんと正行くんと言う優秀な生徒に部を任せっぱなしでホントにすまん。」
「高坂さん…、漣の妹のおかげで更に良くなりましたわ。まるで弟が引き合わせたみたいに…。」
「真理亜ちゃん、婚約おめでとう。徹くんなら大丈夫じゃ。
秋彦くんも天国で喜んどるわい。」