キョクメン突破!~二人の理由 9 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

12月20日(木) 8:15

「おはよう柳生さん。
昨日はありがとう。
今日も頑張ろうね。」

「う、うん。相良くんその荷物…。もしかして朝練を?」

「ああ、三日もボール蹴れないなんて耐えられないからな。
放課後に練習出来ない分を、真田先輩や島津先輩にしっかり付き合ってもらったよ!」

「ご、ごめんなさい私は…。」

「何で柳生さんが謝るの?
まぁいいや、チャイム鳴るよ。
また昼休みね。」


私は自分が恥ずかしい。
部活停止を告げられて、頭の中は相良くんと勉強する時間を楽しむことしか考えてなかった。

相良くんにとって、サッカーが出来ないことがどれだけ辛いかを全く考えてなかった。

そしてその原因を作ったのは私。
私が手を出してさえいなければ、相良くんまで巻き込むことはなかったのに…。
恋人候補失格です…。

でもその為にも私に出来ることは、相良くんに勉強を教えること…。

12月20日(木)12:30

俺のせいで柳生さんまで…。

大好きな人に守られて、その人を危険に晒すなんて男のクズだ!

感情に任せてイエローカードを貰うのは、中学で卒業したはずだろ?

俺は何をやってるんだ?

俺には一抹の不安がある。

成績優秀な柳生さんは、きっと三好先生が作製したテストなんて簡単に合格するだろう。

だがもし俺の不合格によって柳生さんまで処分が…。三好先生ならやるかも…。
そんなことになれば次期生徒会長候補どころか、大切な進路まで…。

駄目だ!死ぬ気で勉強しなきゃ!
なのに俺は今朝もサッカーを…。

何をやってるんだ俺は!


「相良くん。お昼一緒に食べよう♪
食べながら勉強しようよ。
教科も範囲もわからないから時間がいくらあっても足りないわ。

…やれる所までやろうよ。」

「あの柳生さん、俺は…。」

「駄目よ相良くん、今はテストに集中しようよ。」

(私なんか駄目だよ相良くん。)

(柳生さん、俺を傷つけない様に遠回しに断って…。当然だな…。)

「今日から午前中授業だからしっかり夜まで勉強しようね。
でもこの教室よりも私の教室に行かない?
私、このクラスは…。」

「波多野の奴も松永和美も休んでるから気にすることないけど…。
まぁ柳生さんがそう言うなら…。」

「柳生さん、相良くん、じゃあ私は部活に行くけど健闘を祈るわ!
貴方達にはサッカー部全員がついてるからね!」

「宇都宮さん、ありがとう。」