「翔子ちゃんが元気そうで良かったわ!」
「ありがとうございます、京子さん。
私は大丈夫ですよ。最初はショックで京子さんの胸で泣いちゃったけど…。
キーパーはリセット能力が大事なんです。『一点取られても、二点目を取られるな』
榎田先輩と真田先輩の両方から教わったことなんです。
それに今は次の練習試合のことしか考えてません。」
「そう、その事を聞きたかったの。
よく今川高校の男子サッカー部が引き受けてくれたわね?」
「先生と私と一緒に申し込みに行った高坂先輩が、制服姿で直接フリーキックを三本叩き込んだら相手のキャプテンが泣きながらOKしてくれました(笑)。」
「ほ、殆ど道場破りね…。」
「それでね、聞いて下さいよー。
相手校の7番の選手が『君みたいに可愛い娘がサッカー出来るの?』って声かけてきたから、『私が完封したらデートしてあげる。頑張ってシュート外してね♪』って言ってあげたわ(笑)。
どんだけ手抜いてくれるか楽しみで♪」
翔子ちゃんはホントに強くなりました。間違いなくまー君と三好先生のメンタルコーチのおかげね。
その三好先生は、みんなから
「キャー、婚期ギリギリで玉の輿?」
って言われてたけど、榎田くんは卒業したら二番目のお兄さんと家を出て会社を立ち上げるらしい。
榎田くんも、それに従う三好先生も強いなぁ…。
勿論、私とまー君も負けてませんよ♪
だって先週末の夜、遂に私達は…あっ、秘密です!
練習試合当日
「練習にならないから」
と瑞穂はわざと中盤の底でプレイし、伊東茉奈ちゃんとのパスワークで皆に点を取らせるようにした。
山名さんが激しいタックルでボールを奪い、島さんが走りクロスを上げる。
中島さんがシュートを決めて、キーパーの翔子ちゃんがテッペキのセービングを披露する。
チームは理想的にまとまり、5-0の大勝利!
「小菅!一人だけ上手くてもサッカーは勝てないとはこうゆうことだ。」
わざわざそれを言う為に瑞穂は小菅君に試合を観させて…。あの二人、う~ん、どうなんでしょう?
約束通り、翔子ちゃんと相手校の選手とのデートは成立したらしいけど…。
「神は死んだの?」
柳生ちゃんがその7番さんに一目惚れしてたらしい…(涙)。
翔子ちゃんと被るし(涙)
三好先生は
「貴女は社会に恋して少し落ち着きなさい」
と柳生ちゃんを来年の生徒会に立候補させるらしい。
私達の後継者ね
テッペキ!完