ヤスパースの著書「哲学」で述べられている「意志」を引用します。
「目標への努力が外部から阻止されると、思案の対象は目標から目的と手段に移行する」
と述べています。
この言葉は非常に端的に的を得ていて、つまり対象物を手に入れることに邪魔されなかったものは決して、
「何の為に」と、「どのようにして」を意志しないってことです。
また目標への努力さえしない者は、目標さえも見ていないってことです。
「挫折」により初めて己の行動とその意味を振り返るってことですね。
大好きなテレビ番組「テレビタックル」で大竹まことさんが、
「東大に進学する奴は悩みながら進学してほしい」
って言ってましたがホントにその通りだと思います。
無条件に「勝ち続けた者」だけが持て囃されると、勝利した者は「勝てた意味」をいつまでも考えず、一度の敗北で自分の存在意義を見失う…。
ヤスパースの哲学の特徴は「限界状況」です。
困難な中でこそ「意志する私」と「今ここにある私」の価値が試されるのです。
また、何度も書いてますがキルケゴールは
「健康とは矛盾を解消する力だ。」
と述べています。
物事が順調に進んでる方が不思議で、上手く行かなくなった時こそ、真価が問われるのかもしれません。
自転車の車輪が止まった倒れるように、進んでいる小舟に立つことは出来きても、止まった小舟に立つと転覆するように。
また、私達は心臓が生きている限り永遠に拍動する不思議と共に生き続けるように。
正常に物事が進んでいる事が不思議に思えるのは健康を害して初めてわかるのかもしれません。