
で、昨日に予告してたキルケゴールの家系について述べます。
ここまで詳細な資料を提示するとは流石関西学院大学です。
で、家系の詳細です。
父ミカエルと母アーネには七人の子供が居ました。
長女
マーレン 享年24才 未婚。死因不明。
次女
ニコレーネ 享年32才。(絹織物卸売商、のちに市会議員)ヨハン・ルンと結婚。五人の子供を授かるが産褥(産後の中毒症)により死去。
三女
ペトレア 享年33才 (銀行員、のちに法律顧問)ヘンリク・ルン(ヨハンの弟)と結婚。四人の子供を授かるが産褥により死去。
長男
ペーター 享年82才。神学博士。62才の時に内閣の教会大臣を半年勤める。
二度目の結婚で男児を授かる。
次男
ミカエルJr.享年12才。学校で遊んでる時に頭を強打して死亡。
三男
ニールス 享年24才。未婚。病死。
四男
セーレン 享年42才。哲学者。未婚。
セーレン・キルケゴールの最期は私が書かせて頂きます。
キルケゴールは形式ばかり重視するデンマーク教会に対して、抗議デモに参加し、そのデモに参加中に倒れ、救急で病院に運ばれましたが搬送先の病院で亡くなりました。
自身の著書では脳炎が進行してることを明かしていて、レギーネの婚約を破棄したのもこれが原因と思われます。
父ミカエルは貧しき青年時代に、自分の境遇を神のせいにして、神を呪いました。
その後、事業で成功し、富を得ますが、父ミカエルはその成功も神を呪った罰と思ったのです。
自分の成功は虚構の現実、砂上の楼閣に思えたのでしょう。
また、母アーネはミカエルのメイドでした。
結婚前にミカエルに強引な性交渉により妊娠するのです。
そのことがよりミカエルの信仰を苦しめ、幼きセーレン少年は
「お前はキリストが死んだ34才まで生きられない」
と実の父に告げられながら育つのです。
事実、セーレンの兄姉は長男ペーター以外、34才までに亡くなっています。
セーレンが20才の時までにペーター以外を失っているのです。
敬虔であるということは個人の自然な姿を抑圧してまで優先することなのでしょうか?
信仰は人間らしさや自分らしさを制限するものではないと思うし、神は人間個人に私的復讐はしないと信じます。