テッペキSecond18! | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

そもそも高坂は俺の彼女なんだ。
彼氏彼女が何をしても、とやかく言われる憶えはない。

それに高坂は別に
「京子と別れろ」とか、仮に俺が手を出したとしても
「責任を取れ」
と言うつもりもないみたいだ。

ならばこの後、ちゃんと高坂と別れさえすればそれは京子の為なんじゃないのか?

俺が高坂に何もしないと、またどっちつかずの関係が続くわけで…。

手前勝手な脳内シュミレーションが俺を後押しする。

だがそれでも、例え俺が行為に及んで、それが誰にも裏切りにならなかったとしても…。

…俺は自分自身を裏切れない!

京子との誓いを守るんだ!京子と俺との誇りにかけて!

まずは現状の打破だ。
相手のペースはまずい。
何とか精神的に優位に立たないと…。

高坂は三好先生に知識を叩き込まれても、自身の男馴れしてない経験の無さは変わらない。

ならば…。
「真田家の家訓。罠にはハマってみよ。策には溺れてみよ。」
だ。


「よし、高坂!
決めたぞ!
お前のそのアイデアいいな!
『全裸PK』か。
うん、今すぐそれをしよう!
それが『命令』だ!」

「なっ…。何を言ってるのだ?バ、バカな、それが命令なのか?命令は一回なのだぞ?」

予想通り、高坂は自分の言った言葉を逆手に取られて動揺した。

狼狽する俺に
「全裸でPKをしても勝てそうだ。」
なんてのは自分の色気を演出する言葉で、俺の思考を麻痺させ、手を出させるのが目的だったはず。
だがそこにまだウブな箱入り娘の高坂の残像があった。

「待て待て。どうせなら、その…もっとロマンチックな…。」
ここで一気にたたみかける!

「いいや、俺はもうこれに決めた。
さぁ、俺も脱ぐか!続きはグラウンドで」
勢いよくユニフォームとTシャツを脱ぎ捨て、上半身を見せて下着姿の高坂の腕を掴む。

「こんなのイヤ~!
ウワァ~ン!!
私には無理だ~!


また泣いた!

恐らく初めて見る男の裸体と、ロマンチックな初体験の夢を壊されたショック、そして恐らく虚勢を張っていた自分への限界が彼女を号泣させた。

それは文字通り「泣いてる子供」だった。
俺は高坂が泣き止むまで傍に、肩に手を添えて待ち続けた。

ようやく落ち着いた高坂は、

「…グスン、意地悪!…お前無理してたな?柄にもなく変態男を演じて!」

「お互いさまだ!経験豊富な女なんて似合わないんだよ。」
「…もう一度泣かせてくれ。今度は決別の涙だ…。」