「…お願いだ…。今日だけでいい…。私を京子と思って抱いてくれ…。真田、私は…お前でないと嫌なんだ…。」
「はい、そこまで!わざわざ瑞穂の口調を真似してまでまー君を押し倒さないで下さい、三好先生!」
生徒会室に呼ばれたと思ったらまたこの光景だわ。
まー君の上にならないと用件を伝えられないのかしら?
「冗談よ!真田くんが高坂さんにやってほしそうなことを私流にアレンジしただけじゃない。」
「俺はそんなこと考えてません!」
「冗談よ、だって私の妄想だし。
高坂さんて話してみると素直でいい子じゃない!
この前も涙ながらに 『愛されてない人とどうしたら結ばれる?』っ聞いてきたわ。
駄目じゃない真田くん、あんな可愛い子泣かしたら!」
「だから俺は全く身に憶えがなくて…。謝ろうにも何を謝っていいのか…。」
「私には好都合なんだけどな~。
なんか自然と決着がついたって感じ?
で、先生は瑞穂になんて答えたんですか?私も聞きたいです。」
てか、先生この前「個人の感情には立ち入れない」って言ってませんでしたっけ?思い切っり首突っ込んでますけど??
「背後から鈍器で殴って気絶してる間に既成事実作れば?って言ったら、高坂さんてば『手頃な鈍器を探してくる、でもキセイジジツって何だ?』だってさ、可愛い子ねー。」
「…まぁ瑞穂らしい…かな?その後先生は何て?」
ええと、取りあえず現時点で傷害の被害者も加害者出てないのは喜んでいいのかしら?
いやそうじゃないだろ、京子しっかりしなさいよ…厄介な二人の女を同時に突っ込み入れるのって四倍大変ね…。
「あら、それからはご想像通り、生物教師として命の神秘をたっぷり教授してあげたわ。最後は泣きながら『私のお父様もお兄様もそんな汚らわしいことしない!』って教室を出て行ったわ(笑)。少し上級者向けのレッスンだったかしら?」
「先生の方が生徒を泣かしてるじゃないですかー!
どうするんですか、瑞穂があの時の山名さんみたい暴走したらー?
てか、私達のことに立ち入れないんじゃなかったんですか?」
「教師としては立ち入れないわ。だから一人の女として貴方達を面白がってるだけかもね~(笑)。
と、言うわけで高坂さんの次の行動に気をつけなさいとだけ言っとくわ。予行演習があるなしじゃ違うでしょう?
あっ、それと呼び出した本題だけど、女子サッカー部が今日認可されたわ、私が顧問よ。」
えっ、ウソでしょ?