テッペキSecond8! | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「随分話そうか迷ったけど、中島さんには知っていてほしくて…。」

深刻な表情であたしに話しかけた内藤さんの話の内容は衝撃的だった。

「そっかぁ、理恵の奴がそんなことを…。
悲しいな、黒い噂は聞いてたけど…、そんな事関係なく、あたし達は親友と思ってたのに…。理恵の方がいないって言うなんて…。」

理恵が誰を好きでも構わない。
でも…あたしは親友として理恵に幸せになってほしいと思う。
「理恵は…無理してるかもしれないね。わざと悪ぶって自分の恋心を抑えてるかも。
だって…本当に『人のモノ』が好きな女は『恋してる男』じゃなくて、『恋してる女の男』を好きになるのよ。それに比べたらマシよ!」

あたしには経験がある。
ただ女子の間で人気があるってだけでその男子を求める女を。
その人気者の男子が私に気があった時の、女子の妬みに経験がある。
だからこそあたしは「主流派グループ」から離れた理恵や瑞穂と親しくなったのかもしれない。

「そうね、山名さんが『好きになる』感情は間違いないかも。
でも、自分に振り向いたら興味が無くなるってのは問題ね。」

それをどうするか?きっと理恵は全てに自信が無いのだと思う。
恋してる誰かに恋をすることで「安全地帯」に居たいのだと思う。
危険なカップル崩しをすることで、却って自分の本音と向き合わないという「安全」を手にしてるのだ。

でもホントの恋は違う。
全力で自分をぶつけるのが恋だ。

「任せて、内藤さん。
サッカー部員として何とかしてみせる。」

とカッコ良く断言したものの解決策も見つからず、とりあえず主将に相談してみた。

武田主将は
「小菅の奴があのナイスバディに好かれて!うらやましい~!
でも、自信はサッカーに必要だな。
山名ちゃんは確かにサッカーの技術に自信が持てないことを、雑用を任されることで逃げてる節があるな。
よし、テスト明けの今日の練習で試してみるか!」

と主将は言った。
意外に?部員の動向をちゃんと見ていてまた惚れ直すあたし(笑)。

「小菅、フリーキックを山名ちゃんに合わせろ、山名ちゃんは小菅からのパスを中島に合わせて、中島がシュートする。
キーパーは榎田だ。
ディフェンスはなしで。」

急に名前を呼ばれた理恵は驚いていた。
「いいか三人とも。
10本蹴って一本も決めれなかったら『好きな人の名前を言え』」

無理です!と抗議する理恵だが…。
えっ、あたしも巻き込まれてる?