テッペキSecond 1 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「瑞穂~。サッカー以外にも女らしくアピールしないと内藤さんに勝てないわよ。」

わかってる。中島の意地悪。人の気にしてることを。
私だって真田とサッカー以外で親しくなりたい。
でもどうしたら良いかわからない。

「そうねぇ、なんだかんだで男って料理上手だったり、セクシーな女が好きなんじゃない?あたしは両方ないけど~。
だからあいつはいつもいつも!他の女に…あっ…何でもない。
とにかくそういうことは直接男子に聞けば?」

確かに京子は私や中島よりも家庭的でスタイルも良いし頭も良い。
真田が惹かれるのも当然だ。

うーん、直接聞けと言っても意中の真田に聞けたら苦労はしない!
他の男子に聞こうにも武田や榎田は…笑い者にされそうだから嫌だ。
となると…一年の小管か?
うん、あいつは熱心に私にサッカーの質問をしてくるし、警戒なく話せそうだ。
よし、今日の部活でそれとなく…

「小管、関係ない話だがお前はどんな女が好みだ?」

「えっ?えっ?何ですか急に?」

お前にそこまで慌てられると参考にならんのだが…。人選を誤ったか?
「答えろ、先輩命令だ!」

「えっと…。そうですね。目標に向かって頑張ってる人は魅力的って言うか…。例えば高坂先輩の様に…。」

「私?私がか?そんな冗談ではなく、やっぱりセクシーで色っぽい女が好きかと聞いている!」

「サッカーしてる高坂先輩色っぽいですよ。」

ええい、こやつの少数意見は参考にならん!

…だが…そう言ってもらうのは悪い気がしないのは何故だろう。

「部室の冷蔵庫に私の手作りオムライスが入ってる。
居残り練習に付き合ってくれた礼だ。
食べてもよいぞ。」
「本当ですか?やったー僕、大好物なんですよ!」


「美味しいか?」

「はい、とっても!」

小管のその言葉が無理してる嘘だとわかった気がする。

わかった気がするから、
「そのオムライスは真田の為に作ってきたのに、京子がもっと美味しいオムライスを先に真田に披露したから出せなくなってしまった。」

と本人に私は言わないことにした。

そう言えばこの私が思ったことを口にしないのも、口にしてない相手の言葉を考えたのもこれが初めてかもしれない。


私は今日で一歩、魅力的な女になったかもしれない。が、その分三歩、醜くなったかもしれない。

取りあえず言いたいことを伝える為に、誰かを居残り練習させるのは今日で止めとこう。

私の悪い癖だ。