ソイトゲ2 存在理由 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「存在するとは他者に影響を与えてこそ、存在を認められる」
と言う当たり前のことを思い知らされた。

山田太郎ー明らかに偽名くさいこの名前と一通の手紙が僕を支配しようとする。
奴の単純明快な意図がわかった。

この小柄で黒髪の女の子を僕に近付かせて、僕に恋をさせることで「幸せ気分」を味あわせたいのだろう。
金持ちの道楽には度が過ぎている。
よくもまぁ一晩で僕の家を探し当て、こんな女の子を用意したものだ。

この女の子には恨みは無いが、あいつの言うことを聞いてる時点で腹が立ってきた。

「え~と、ありすちゃんだっけ?悪いけど僕は今から会社に出勤だから、すぐに帰ってくれ。
いくらであいつに雇われたか知らないが、こんなことは君の為にもならない。帰ってくれ!」
少し強引に女の子を玄関から出した。
肩と腕を掴んだが、その肢体は驚くほど華奢で柔らかかった。
「待って下さい、ご主人様!そんな、いきなり追い返すなんて酷いです!こんなんじゃあの人会わす顔がありません。」
抵抗は想定内だ。誰だって報酬は手離したくないだろう。
「君のご主人様は僕じゃなくてあいつだろう!さっ、帰った、帰った。」
玄関から追い出し、右手でドアを閉めようとした時、彼女はか細い声で…。
「…あの人が…ご主人様なわけ…ありません。」
とだけ言った。
その言葉に僕は彼女を中に入れた。
てっきり身の上話が延々続くと覚悟してたが、彼女は部屋に入るなり、
「せめて私の働きぶりを見てから私を送り返して下さいませ。
そうですね。まずは朝食をご用意致します!」
部屋に入ればこっちの者とばかり、得意気に僕の部屋を見回し、仕事モードに入ったようだ。メイドと言うのは本当らしい。
一昔前に流行った「押し掛け女房」のアニメじゃないのが残念だが…(笑)。


食卓を見て少しがっかりした。
「え~と、ありすちゃんだっけ?
こういう時の朝ごはんってカワイイ女の子の手料理じゃないの?何で買ってきたパンなの?」

「ここのお店美味しいんですよ。」

「そうじゃなくて!」
そう、アニメじゃない。彼女は存在する。それだけは確かだ。
「それじゃ会社に行くから君もこれで帰ってくれ。朝ごはんをありがとう。」
機械的に彼女を見ずに言った。見ると調子が狂う。
「ご出勤ですね。はい、お供します。」
「そこは『行ってらっしゃいませ、ご主人様!』って定番のセリフだろ!」
恋人同士の登下校に憧れたが出勤に女連れかよ。