番外編:ターレスの逸話 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「始まりの哲学者」ターレスの文献は少なく、残っている物も口伝が多い。

故に神格化されているがその中でも面白い例を。

1 若き日のターレスに母親が早く結婚するように催促した。するとターレスは
「まだその時ではない。」
と言って母親の申し出を断り、
彼が晩年になってから再度母親が催促すると、
「もうその時ではない」
と言って追い返したそうです。

2 「哲学者はいくら勉強しても貧乏だ」との誹謗中傷に対してターレスは、
天文学を駆使してその年度のオリーブが豊作であることを知り、
いち早くオリーブの圧搾器械を安く大量に借入れ、収穫時期が来るとターレスは
「その気になれば幾らでも稼げるが、その様な事は私の望むことではない」
とその圧搾器械を高額で貸出すことも可能であるに関わらず、彼は儲けよりも自身の名誉を望んだのであった。

3 自身の身長と影の長さ、
それとピラミッドの影の長さの比率からピラミッドの高さを割り出したと言う。
更に日食の日を言い当てたとの逸話もある
しかし、これは彼のエジプト留学の賜物である説が有力である。
だが例えそれがエジプトから輸入された知識であろうとも、
彼の人種、文化、宗教に寛容な人徳に由来すると考えられる
4 ある日友人のロバが積み荷を載せて歩いてた。
するとロバは海辺で転び積み荷の塩袋をこぼしてしまった。
以来、そのロバはわざと転倒すれば積み荷がこぼれて軽くなることを憶えた。

困り果てたロバの主人は友人のターレスに相談した。
ターレスは
「そのロバに載せる積み荷を塩ではなく綿花にせよ」
と友人に告げた。

友人は言われた通りロバに綿花を載せた。
ロバはいつも通りに海辺で転倒した。
しかし、今まで塩は海に流れ出たが、今回の綿花は海水を含み積み荷は転倒前より重くなった。
ロバは自業自得で海水を含んだ綿花を運ぶハメとなったとさ。

実はこれイソップ童話です。
ターレスに限らず、ギリシャの賢人達の逸話、寓話(ぐうわ)がイソップ物語となり、キリスト教よりも古くから親しまれてます。

ターレスの文献はギリシャ哲学にまとめられ、
未だにターレス単体での本に出会えてません。
どなたかターレスの本をご存知の方情報求む。