
「人間とはその人の一人分の真実だけしか持ち合わせていない。世の中とはその真実を繋ぎ合わせた物である」
アリストテレスの言葉です。
名声ある人だろうが、英雄、権力者に関係なく、
ある人の言葉は、その人だけの真実が導いた、その人だけにしか通用しない言葉である。
なんて断言してしまえば、政治も法律も宗教も必要無くなるけど、でも事実なんですね。
私も若い頃は、ビジネスの自己啓発本や成功マニュアル本を読み漁ったけど、
結局それは「その人が成功する本」であって、
私自身のみを成功させるために執筆されてはいない。
また裁判や行政に於いても満場一致の納得は不可能であり、それでも尚、活動する政治家や法律家や学者は自らの哲学(信念)を原動力とするしかないのである。
しかし、アリストテレスは
「繋ぎ合わせた真実」に言及し、
万人に通じる普遍的真実は、万人の真実の繋ぎ合わせしかない。と言っている。
極論を言えば地球上全ての人間とコンタクトをとって、誰一人として反対意見が無ければ「永久不変の真実」となるのである。
「森羅万象全ての意味を見出だせるのは神か神に近い聖人君子だけである」
と言われている。
だが、キリストも仏陀も自らの悟りは自分自身の為だけで、教祖となり、教えを広めることを望んではいなかったのである。
宗教的戒律を自らの意志で愛する人はいるでしょう。
しかし、法律を「愛する」ことは可能であろうか?
「多数の利益」の為に法律が「妥協の品」になれば法律は専制君主となる。
罰則を背景に凡人を従わせるのは容易である。
しかし、法律に誠の(極めて自発的な)忠誠を誓わせるのは法律を前提に掲げる理念である。