さっちゃんは、大きな魔法の国でも同世代の中ではずば抜けて魔法を使え将来を期待され、国の防衛を将来、担う人物として大人たちからは期待の目を向けられ、同世代の子たちからは尊敬の眼差しを向けられていた。さっちゃんもその期待が嬉しくプライドを持つようになっていた。

あの日までは。

  さっちゃんは、魔法を自在に操れ魔力も強かったが実戦は一度もした事がなかった。


  その日。穏やかに国中の人たちは昼を過ごしていた。だが、突然、大きな音がし、森の中で魔法の練習をしていたさっちゃんも慌てて国の中に戻ると人々を守るはずの戦隊ヒーローが暇つぶしに国を破壊しに来た。さっちゃんは混乱しながらも次々とやられていく大人の魔法使いの様子に震えながら両手で杖を持った。力を込めて発射した火魔法は暴発し、さっちゃんは両手を火傷しただけだった。しかし、その音で戦隊ピンクにさっちゃんは気づかれてしまった。さっちゃんは逃げ出したかったが獲物を見つけてニヤッと笑った戦隊ピンクが怖く足がすくんでしまい動けなかった。

気づいた時には、さっちゃんは傷だらけで地面に倒れており、何も出来ずにただ大好きな大きな魔法の国は戦隊ヒーローに破壊されていくのを見ていることしかできなかった。


  次に、さっちゃんが目を覚ました時には国は瓦礫と灰だけになっており、大好きな人たちは、国中の人たちはみんな死んでしまっていた。さっちゃんは、無気力にどうにか立ち上がってボロボロながらどうにか歩いて国を出た。そうして、港町の手前で倒れながらナミと出会ったのだった。

  さっちゃんが、ナミと「世界一周」をする事にしたのは、病室で目を覚ました時にナミの膨大な魔力に気付いたからだった。ナミと一緒に旅をする事でもっと強くなるためだった。