それから、しばらくしてもアンは、迷路のゴールに姿を現さなかった。待つのに飽きてしまったズーは座って草をいじり出し、ジュードも待ち疲れて座り込んでしまった。

  さっちゃん「飛んで探して来るよ」

ナミ「お願い」

さすがにもう待てなくなったので、さっちゃんが迷路の上を飛んでアンを探し始めた。アンは、迷路の真ん中あたりで空を見上げたまま動かなくなっていた。

さっちゃん「アンちゃーん」

アンを見つけたさっちゃんがアンのもとに行こうとした時、迷路から蔦が伸びてさっちゃんに向かって攻撃してきた。飛び上がったズーが剣で蔦を切り倒したので、さっちゃんは無事にアンを回収することができた。

ズー「アンびしょ濡れじゃん」

ナミ「風邪引くよ汗」

アン「お前とならまだ歩ける。」

そう言いながら、アンが珍しくナミと手を繋いだので、さっちゃんとズーは、ムッとした顔をしたが、ナミは微笑んで歩き出したので、さっちゃんとズーは、ジュードの後ろをトボトボ歩き始めた。

アン「魔法、使えなかった。」

ナミ「私とジュッくんは、ちゃんと歩いて迷路攻略したよ」

アン「チッ。」

ナミ「もーう。」

ズー「今日は、私が大活躍〜!」

ジュード「そうだね笑」

ナミ「ねっ、魔法なんて使えなくて良いんだよ。」

ズー「うん!」

ズーは、ナミの言葉に喜んだが、アンは、そう言って少し悲しそうな顔をしたナミの手をギュッと握ってくれた。ナミは、そんなアンを見た。

アン「そうなのかもしれないな。」

ナミ「うん。」

アン「でも、その魔法で救われたヤツらもいるんだぞ。」

ナミ「ん、ありがとう。」

アン「しばらく歩いて行こうぜ〜」

ナミは、頷いたが、少しだけびしょ濡れのアンが風邪引かないか心配だった。ただ、出会ってから一度も風邪を引いたりしていないアンなので(丈夫だろうから大丈夫か。)と思ってしまい空を見上げた。

迷路の中の霧や薄暗さは、外の世界ではなく気持ちのいい青空が広がっていた。「仲間(チーム)」とジュードは、そのまま鹿が通りかかってズーに剣で狩られるまで歩いた。それまでずっとアンは、ナミと手を繋いでくれた。