不思議なもので。戦後の飢餓により人も飢えており、僕も野垂れ死にそうになっている所を罪滅ぼしのためか元警察で供出の際に猫の仲間を殺していた。僕は、その狂気に満ちた顔を見た事があるジジイが僕を優しく抱きしめて家に連れて帰ってくれてお粥を食べさせてくれた。その後、ジジイに抱っこされながら(あぁ。本当はこんなに優しい人だったんだ。)と思った。戦争は、日常だけでなく人の人格まで変えてしまうのだ。
そして、1950年代になり、僕は散歩の時に、ようやく昼間に堂々と散歩をしていて、たまたまみっちゃんと過した家を通りかかった。そこにはアパートが建ち近くも建設ラッシュで高度経済成長が始まっていた。
その日。僕は、ジジイと一緒に寝てあの日以来、初めてようやく涙を流した。