ここまで、憲法には3原則があり、憲法で認められた自由の制限を受ける人4人いて、基本的には国家を制限するためのものだが、法人等権力を持つ私人に対しても括弧書きの参照として間接適用された判例がある、ことなどを学んできました。


ではそろそろ、憲法は各条文で我々国民にどのような権利を認めたのか、また国家のどのような権利を制限しようとしたのか、細かく(1〜8条は天皇に関する規定なので9条から順に、統治の章が始まる手前の40条まで)見ていきます。


まず初めが、最も有名な9条(戦争の放棄)です。


この中でも2項『前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』は、明文で国の権利を封じた条項です。


もう10年近く前ですが、この条文の解釈変更がありその翌年、関連の法改正新法が成立しました。


その影響で、例えばアメリカ本土が大規模で継続的な攻撃を受けた場合でも、日本は自衛隊をアメリカへ派遣し、防衛戦を行う米国部隊の後方で支援活動を行わせることや、その中で身の危険が迫った場合武器の使用もできるようになりました


順に説明します。


日本国憲法施行から2014年まで、日本は専守防衛という考えを基軸としてきました。専守防衛とは読んで字の如く、る、すなわち攻撃行動に出ないことをアクセントした言葉です。守りに徹する防衛方針のことですね。


これを2014年、時の内閣が集団的自衛権一部行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定します。


閣議決定それ自体は、言わば「今後、行政府として内閣はこういう方針でいくよ」という内部合議であるため、法的拘束力などは特にありませんが、翌年それを受けて自衛隊法の改正と通称・国際平和支援法が成立し、集団的自衛権の一部行使を可能としました。


さて【集団的自衛権】です。


誰もが聞いたことのある言葉が出てきました。

説明できますか?


集団的自衛権という言葉は元々、2次大戦後に設立された国際連合の憲章(国際法、つまり世界憲法のようなもの)に『right of collective self-diffence』と記載されたのが始まりです。

敷衍(ふえん。覚えてます?)すると【同盟国防衛権】とでも言えます。他国が攻撃を受けた際、自国は攻撃を受けていないにも関わらず、それを阻止するため武力を行使する法的根拠となる権利のことです。


国連憲章の集団的自衛権と同じArticle(条項)には、『right of individual self-diffence』という熟語が出て来ますが、これは個別的自衛権と訳され、自国が攻撃を受けた際、それを阻止するため武力を行使する法的根拠となる権利で、最高裁は「憲法9条は全くの無抵抗を定めたものでなく、自衛権の行使は何ら否定していない」と判示しており、専守防衛の下でもこの権利は認められると解されています。


一方、集団的自衛権については歴代内閣が憲法9条に反し行使できないという解釈に立ってきました。それを変え、あくまで後方支援や救出活動に限るものの集団的自衛権の行使を認める法律をやや強行的に作った、ということです。


三権分立という仕組み上、仮に憲法に反する内容の法律であっても、立法府である国会で要件を満たせば成立してしまいます。しかも日本は付随的違憲審査制を採用しているため、発生した有事に対して、つまり事後的にしかその法律の違憲性は審査できません。


有識者からは、解釈変更でなく憲法改正の手続きを踏むべきだったという意見が多かったようです。

国際法でもその権利が公認されており、同盟国であるアメリカの感情にも配慮せざるを得ず、憲法改正手続きでは国民に却下される公算が高いと踏んで強引な手法と認識しつつそれを選んだんでしょうか。(これは私の推測です)


うーん、難しいですね。

もう無理な話ですが、決めた本人から本音を聞いてみたいものです。


さて、10条(国民の要件)に参ります。

日本国民たる要件は、法律でこれを定める』として、下位の法律にその要件を委任しています。


これを受け、日本国憲法施行の3年後に制定・施行されたのが「国籍法」です。(興味があれば調べてみて下さい。以前余談にてお話しした帰化も要件の一つとして出てきます)


要は、この憲法の人権規定の適用を受けられる主対象は日本国籍を持つ人だよ、という条項です。


次に11条(基本的人権の永久性)。ほぼ97条と同じ趣旨の条文です。ここは軽く流していいと思います。


どんどん行きます。12条(権利の濫用禁止と公共福祉性)。平たく言うと、自由と責任は表裏一体という条文になってます。ここも軽く流しましょう。


…と、次に大物が控えてるので、今回はこの辺で一度締めることにします。


まとめです。


・集団的自衛権は、国連憲章で初めて登場した言葉で、個別的自衛権と併せ、どちらも日本の現行法では認められている。(集団的自衛権は一部)


《日本国憲法10条(国民の要件)》

※君もはいれ10)よ、国民

 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。


《同法11条(基本的人権の永久性)》

※(ウ●コの入った袋を振り回す人に対し)←ゴメンナサイ。知合いのやんちゃだった子の実話ですw

 いい11)から来んな97)!永久

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。


《同法12条(権利の濫用禁止と公共福祉性)》

※権利を委任(12ん)されたジャッジ、公共の福祉に反するような濫用は禁止

 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためこれを利用する責任を負ふ。


本日はこれにて。


いつもご苦労様ですm(_ _)m