やあやあ。「やあやあ」を小説の主人公の口癖にしてしまったため「やあやあ」言いずらくなった栂くんだよ。やあやあ。




 ホモを主人公にした話を書いてると『きっと書いてる作者もホモに違いない!』なんて、思われがちだけど…


 ホモじゃないからね! 断じてちがうからね! もう一回言うよ、ホモじゃないからね!




 いやほんと、違うから。小学生くらいの男の子見てお持ち帰りしたくなるけど、そういうんじゃないから。


 いやほんと、違うから。体育科の先生を見て「まあなんて素敵な筋肉! きっと下の方もすごいにちがいないわ!」とか考えてるけど、そういうんじゃないから。


 もう三年間も男子校に通わされてるから、ちょっとセンサーがおかしくなってるだけだって。








 ……。


 …ちょ、ちょなんだ…なんだその疑いの眼差しは…! だあら、ちがうつってんだろうが…!


 本人がホモじゃないって言ってんだから、ホモじゃないでいいじゃねえか…!


 はん! そんなに言うなら、証拠を見せてやろう。


 俺直伝のわかりやすい例えでな。ちなみに、これまでそっちの気を疑われたときは、すべてこの例えで交わしてきたので念のため。




 まずここに、男10人女10人、合計20人のひとが居たとしよう。


 女10人はAの部屋に行き、男10人はBの部屋に行ったとする。


 そこで、俺という狼をAの部屋に放り込めば、一瞬でそのうち8人を【ピー】して食い散らすであろう。


 しかしてBの部屋に俺という羊を放り込んだところで何ひとつ状況は変わらない。きっと三日三晩、毛繕いをしてすごすであろう。


 ただ三日目の朝……もしかしたら、その中の2人とデキているかもしれない……がな。




 わかったか? つまりは、こういうことだ。


 Aというハーレムで散々暴れまわった狼が、Bという男子校に入れられてその欲望を抑えきれるわけねーだろっていう話。


 その欲望の矛先が、一部の同性に向いてしまってもなんら不思議じゃないだろっていう話。


 俺はホモじゃない、バイだっていう話←




 あの小説だって、あながち本当の話かもしれないよ。なんちゃって。


 入学式で隣の席に座ってた奴がかなり好みのタイプで、いまでも話しかけられるとドキっとしちゃう……なんてことは、これ以上疑われたくないから言わないでおこーっと←




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それじゃバイバイセコー←





 今日は友人I……通称『永遠の中2病』と戦ってきた。


 Iは小学校時からの友人。性格は、俺と同じ極度の負けず嫌い。


 しょっちゅう喧嘩するが、しょっちゅう仲直りする。


 去年の年末、義父と喧嘩して家出した俺はIの家に向かった。


 Iは三時間ほど義父の愚痴を聞いてくれたのち、ほっかレモンとダンボールを手渡し…


I「これ飲み物。これベッド代わり。」


I「頑張れ、まるでダメなお兄ちゃん、略してマダオ」


 と言って家をおんだした。とっても優しくとってもSな奴なんだ。


 今日はそんなIと卓球で戦ってきた。


 卓球と言ってもただの卓球ではない……強いて言うならサブカル的卓球で勝負してきた。








一回戦:互いの近況報告



(ラリーしながら)

俺「おまえら共学は、女の上に女乗っけて食ってんだろう~回転よろしくマワし食いだろう~」


I「はは…(苦笑い)」


俺「中学のときの同級Kさあ、女とっかえひっかえだって? すっかりヤリ●ンになりやがってくそったれ~」


I「はは…(苦笑い)」


俺「なーなー、隣で打ってるヤ●マン顔うるさくね? やっちゃおうぜ」


I「うるさいっ…なんかもうめんどくせえよっ!」




 一回戦は、俺が放つ現役男子校生特有の下ネタ+共学への憎悪トークで、勝利。


 ぷくく。日記じゃ、あの反応に困った顔を見せられないのが残念だぜぷくく。




二回戦:試合




I「おらおら、どうした現役っ! こちとらラケット握んの二年ぶりだぞっ!」


俺「ちくしょー…(1セット取られる)」


I「ああ今日はバック入んねーなあ。入ったら貴様の球なんぞ一発でスマッシュにかえてやるのになあ」


俺「ちくしょー…(1セット取り返したがいらっとくる)」


I「よっしゃああ! 見たか、俺の先輩譲りのロビングを!」


俺「ちくしょー…(ロビングってスマッシュ打ち返してるだけじゃねえか。1セット取られる)」




 続く二回戦は、残る2セットを取り返して試合には勝った。


 だが……負けず嫌いなIの執拗な挑発に、同じく負けず嫌いな俺のなんやかんやが刺激され、勝負には敗退。ちくしょー。




三回戦:中2野球




(ピンポン球を握りながら)

I「俺、この球ですっげえカーブボールだせんだぜ?」


俺「おまえ永遠の中2病な(と言いつつラケットをバッド代わりにして構える)」


I「受けてみよっ! 野球部を空振り三振させた回転を!」




 三回戦は、卓球ラケットとピンポン球を使ったエセ野球に付き合わされる。


 「くだらねー」と言いつつ実際球がくると「おお、すげー!」と興奮してた俺の負け。




四回戦:トランクス




(帰り支度をしながら)

俺「え、おまえまだトランクス? キツくねーの? (ズボンをおろして)いいだろ、ボクサーパンツどや」


I「んなもん解放すなボケ」


俺「男子校の解放感なめんな? パンツで授業受けるやつすらいんだぞ?どや」


I「どやじゃねーよ」




 四回戦は、着替えながらの男子校トーク。俺の勝ち。








 今日の結果、2-2。引き分け。


 まあ帰り道、奢ってやったジュースの分を加えれば、俺の勝ちだけどなどや。


 Iと会ったのは、小6だから……実に6年間の付き合いとなる。


 小学校、中学校と同じ。高校で別れた。


 別れても尚、こいつとの関係性は変わらない。会えばお互い小学生、中学生に戻る。


 腐れ縁なんて、口裂けても言わねー←








番外編:魔法使いレベル



俺「ところでおまえ、チェリー?」


I「ああ、おまえもだろ?」


俺「30になるまであと13年だ。お互い魔法使い目指そうな」


I「えそれ、賢者じゃなかったっけ?」


俺「賢者は35。40まで保てば仙人だ」


I「なるほど……現在、魔法使いレベル13ってわけか」


俺「頑張ってレベル上げてこうな、じゃっ」


I「おお、またな」








 名付けて『マジックハンド協定』。




 また一つ……ここに、新たなる協定が結ばれた←








 笑わねー…絶対に、笑わねー…


 雨がふっても、槍がふっても笑わねー…


 こちとら小学校のそれも、中学のそれも、笑わずにやり過ごしてきた身だぞ…


 クラスでひとり…ましてや、学年でひとりだけの逸材なめんな…?


 笑わねー…絶対笑わねー…


 雨がふっても槍がふっても…飴がふってもヤリ●ンがふっても…












 今日は、昨日の告知の通り、小講堂で卒業アルバム用の写真撮影があった。



「髪型これで大丈夫かな?」「だれかワックスかしてー」「やべ、ボタンつぶしたまんまだ」



 各々の期待と不安が飛び交う中、俺はある決意を胸に、小講堂へと向かった。



「絶対、笑わねー」










 小講堂に着くと、出席番号順という名のただの名前順に並べ変えられ、1番のやつから撮影がはじまった。



「あ、もうちょっと背筋伸ばしてー」「校章曲がってるよー」「顔あげてー」



 1番のやつに飛び交うは、それはそれはうっとうしい、カメラマンの指令。


 中でも一際うっとうしいのは——




「はいそこで笑ってー」




 ——この指令……いやさこの、試練だ。




「歯を見せるくらいね」「にーっ、ほらにーっ」




 だれしも必ず一度は乗り越えてきたであろう、通例の試練。


 その黒柳徹子並みのムチャブリに翻弄されてしまうと、後世のアルバムに、ひきつった笑いを残すこととなる。




栂(俺は笑わねーぞ…絶対笑わねーぞ。クラスでひとり、ましてや学年でひとりの、逸材なめんな…)


栂(クラスメートの目を担当の目を顧みず…! 不安げなカメラマンを鼻で笑い…! 執拗に笑わせにかかるカメラマンをドン滑りさせてきたこの身…!)


栂(今回も、完璧なる無表情、かつドヤ顔で写ってやるっ…!)




 やがて……一人、また一人の三年間の学生生活がひきつった笑いに汚されていくのを目の当たりにしたあと——




カメラマン「次、15番の栂くん」




 ——出番がやってきた。


 慎重かつ冷静に席につくと、カメラマンとのタイマンがはじまる。




栂「はい(絶対、笑わねー…)」


カメラマン「お、背筋いいねー。顔もちゃんとこっち見てるねー」


栂「いえいえ(たりめーだ…笑わないために、それ以外のことは全部きちんとこなすんだよ…)」

カメラマン「はいじゃあ、笑ってー」


カメラマン「えくぼを上げてー歯を見せてーにーってしてー」


栂「……(無視だ無視。聞こえねーもうなんも聞こえねー)」


カメラマン「どうしたのー?」


栂「……(どうもしてねーよ。いいから撮れやコラ)」


カメラマン「んー…」


カメラマン「じゃあ、笑わないバージョンから撮ろうかー」


シャッター音『パシャッ!!』




 やつがそう言い終わるや否や、聞き慣れたシャッター音と共に、まばゆい光に包まれた。




栂「……」


栂「……よっしゃああ!!! 今回も笑わずに済んだあああ!!」


栂「ざまあ見ろ、カメラマン! もはははは!」


栂「もっはっはっ——」


シャッター音『パシャッ!!』


栂「——はあ!?」


カメラマン「はい、笑ってるバージョンもらい~」


カメラマン「次の方どうぞ~」







 ……。




 ……。




 ちくしょう…負けた…


 後世に残るアルバムを、もはは笑いで、汚してしまった…


 やがてアルバムが出来上がると、俺のもはは笑いは、友人のげらげら笑いに…親戚のぶひゃひゃ笑いに変わることだろう…




 笑えねー…絶対、笑えねーよこれ…←