「子供の声うるさい」開園断念 千葉・市川
先日、この記事が話題になり、改めて
「子どもの声は騒音なのか」
「近隣住民への丁寧な説明がもっと必要」
「道が狭いせいもある、場所を考えて」
「そもそも保育園はなぜ増えないのか」
などさまざまな議論を呼びました。
さて、「保育園落ちた死ね!」の匿名ブログが話題になって、待機児童の多さは社会問題として十分に認識されつつあります。
そんな中なので、なおさら
「なんで保育園増えないの?」
「こんなに待機児童の問題があるのに、どうして反対するの?」
「子どもの声が騒音なんてひどい」
といった声が出てくるのも当然だと思います。
でも、現実には、閑静な住宅街で、日中介護をしながら、自分の休みも取りたいと思っているご夫婦や親子、夜勤明けでゆっくり家で寝たいのに、園庭でにぎわう子どもの声が気になる・・
様々な家庭があるなかに、そんな事情があるのも確かだと思います。
前提として、近隣住民の理解があって、地域のなかに受け入れられる保育園でなければ、保育園としての機能は十分に果たせないし、地域の人との日常のあいさつといった関わり合いも子どもの健全な成長のためにとても大事なことだと思います。
保育園があることで、近隣住民といがみ合っていたら、子どものためにも良くないでしょう。
そのため、あらかじめ建設する前に住民の方と十分な対話の時間を設ける、住民の方の要望に耳を傾ける、といったことが必要だと思います。
そのうえで、どのように保育園として騒音対策・防音対策、あるいは登園退園時の混雑の解消に向けて取り組めばいいでしょう。

最近建てられた保育園では、そういったことはもちろん、子どもの環境にも非常に配慮された作りになったいるものが多いです。
参考:
【保育園】落ちても、死なないで!もっと広めたい素敵な保育園建築
それでも、そういった事例をまとめた記事は少なく、十分に優れた建築デザインの共有がされているとは言えない状況です。
そこで、いくつか考えられる建築デザインによる解決方法を考えてみたいと思います。
・窓の二重化・二重サッシによる防音通常窓に使われるアルミサッシは、安価に供給できる一方で防音効果が低く、暖房効率も非常に悪いものです。
複層ガラス・樹脂サッシといったあたらしい技術によって格段に窓の性能は上がっているのですが、価格も相応に高いものになります。
窓の二重化は、比較的安価に、しかも簡単に行うことができ、既存の設備にも追加の設置が可能です。
防音効果も高く、暖房効率も上がります。
子どもの室内環境としても、冷暖房を控えることができ、よりよいものになります。
場合によっては近隣の方の住居を費用負担をして二重窓化してもいいと思います。
保育園の二重窓とダブルの効果が得られ、窓を閉めている限り、ほぼ音は聞こえてこないでしょう。
・園庭の中庭化

次に園庭です。
園庭はどうしても外なので、声が響いてしまうのではと思われがちですが、中庭に園庭を設けることで、建物自体が壁となり、音を遮ることができます。
中庭化が難しい場合、住宅がある面のみ明り取りの窓だけなど最低限の構造だけにして、すべて壁にしてしまう、という手法もあると思います。

また、最近では、屋上に園庭を設置する園も多いようです。
周囲の建物が園舎より低い場合なら、十分に音が漏れない施策が可能です。
その場合、安全面からも落下防止のために十分な高さの壁が設けられるかと思いますので、その壁を防音壁にすることで、音漏れを防ぐことができます。

・BGMの利用制限・禁止
教室内でのBGMの使用を原則禁止にします。
防音壁を施したホールのみ、BGMやピアノ演奏を可能にします。
各年齢・クラスごとで時間をずらして利用するなどで、十分に最小限の防音壁で音漏れを防ぐことができます。
また、最近ではサウンドマスキングシステム、消音装置といったものが、工場や会議室などでも利用されるようになっています。
こういった設備を備えることで、また防音対策にもなります。
もちろん、建物内の配置で、中庭のように、ホールを建物奥部に配置することでの防音なども可能です。
・敷地内の駐車・駐輪スペース
十分なスペースが取れるほど敷地に余裕があればいいのですが、前提として、原則車での送迎禁止にします。
どうしても送迎が必要な場合は、少し離れた場所に駐車場を保育園名義で借ります。
その場合も利用は許可制などのほうが良いでしょう。

狭い道路に面しているなどの場合、エントランスを広くとり、ポーチ化するなどによって、駐車・駐輪スペースを確保します。
駐輪スペースは送迎時の混雑を想定し、可能であれば送迎時に整理要員も配置することで、効率的にスペースが使えるようにできます。
規模にもよると思いますが、どうしても、給食の配送など、車の駐車が必要な場合があると思います。そのため、やはり車一台分が確保できると望ましいと思います。
他にも、様々な工夫がいっぱい凝らされた保育園は数多くあるはずです。
専門家が知恵を出して、子どものために素材を選び配置やデザインを考え、安全に配慮した設計をされています。当然、防音対策についても様々なアイデアが蓄積されていることと思います。
良い保育園がその街にあること、それ自体が街にとっての価値になるような、そうした保育園を事業者と保護者、地域の人が一体となって作ることができるのが理想かと思います。
葬儀場・ゴミ処理場・コンビニなど、近くにできたら嫌だなと思う建物は他にもいっぱいあると思いますが、保育園は工夫次第で、その街のシンボルとなるような価値のある建築にできるのでは、と思っています。
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