JILPT、「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査」
~テレワークは、生産性の向上、家庭生活と仕事の両立等に効果をもたらす~もっと、テレワークみたいな働き方が広まってほしい!
日頃、そう思っているので、それを後押しするような記事はありがたいです。
最近になって「シェア」や「分散」「個人」といったキーワードでの新しい企業のあり方が見直されつつあるように思います。
「クラウド」サービスの発達のおかげで、これまで会社というひとつの場所に集まってしなければならなかった仕事はほとんどなくなっています。
勤怠管理・グループウェア・スケジュール共有・経費精算・ワークフロー(各種申請)・請求書発行・会計管理・給与計算・データ共有・テレビ会議・チャット・・・
さまざまなサービスが、どこでも働ける働き方を可能にしています。
一番のメリットは、個人が自由に使える時間が長くなる、というところだと思います。

記事中の調査では、テレワークの導入によって生産性は高まるとしています。
たとえば、通勤する必要がなくなるので、仮に往復1時間かけて会社に行っていたとしたら、月に約20時間の余裕が生まれます。
また、細切れの時間を有効に活用することができます。
育児や家事を行う中で、30分だけ時間を取ることができた、この2時間なら夫(あるいは妻)に任せられる、といった時間をみつけることができれば、そうした時間を仕事に充てることも可能です。
課題は、労働時間の管理・進捗管理・セキュリティ・コミュニケーションと記事中にはあります。
日常的に電話やテレビ会議等でやりとりしていても、どうしても直接会って取り組んだほうが早い仕事もなかにはあります。
また、直接会うことで生まれるコミュニケーションの影響力も大きいのも事実です。
最低でも月に2~3回は、そうした機会を設けることは必要になりそうです。
そのなかで、十分なコミュニケーションを図り、必要なことだけを集中して行うことで、テレワークのデメリットは幾分か軽減されるのではないかと思います。
個人的には、「会社」は目に見える形で一つの場所に集まるような「オフィス」を持たなくても成り立つのではないか、と思っています。
現に、
NPO法人greenz.jpでは、そのようなことを実践しつつあるようです。
そうすると、「労働時間」というのも非常にあいまいなものになってきます。
自分の時間のなかで、「労働」にどれだけの時間を割いているのか。
これまではある意味で単純でした。オフィスにいて仕事をしている時間、つまり「空間」=「時間」として労働が成り立っていたからです。
ある程度、人月の計算可能なプロジェクトであれば、このタスクには何時間かかる、と可視化できるため、そのタスク自体に単価をつけることは可能かもしれません。
一方で、間接部門の仕事や、営業・オペレーターなどの仕事は、そうした可視化は難しくなります。
単純に成果給だけでこれを考えてしまうと、労働者側の負担が重く、低賃金での長時間労働を招く可能性があります。
「時間」と「成果」は単純に結びつくものではなく、個々人の能力によってのみ成果が発生するものでもありません。
会社全体としての商品の魅力やブランド力・チームとしての生産性、上司のマネジメント能力、さまざまな作用のなかで成果が発生します。
会社として得られた全体の利益を、どのように従業員に配分すればよいのか、それは単純に時間×基本給としての計算でよいのか、あるいはタスクの難易度×単価×成果とするのか。
会社としての既存の固定的な概念を壊していくと、従業員・労働者の「報酬」のあり方も大きく変化します。
国会で様々な物議を醸し出した「残業代0法案」は、上記のような議論をすっ飛ばして、2歩、3歩進んで、成立させてしまったようにも思います。
制度があってはじめて、社会が追い付く、という考え方もあるかもしれませんが、まだまだ議論の余地があるなか、成功事例の共有をもっとしていかなければならない、と感じます。