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メインブログには書かないような推敲のない文章を書いています。

途中で挫折しました。また改めて、頑張ります。

雑感として、「存立危機事態」「協力支援活動」「役務の提供」などのあいまいな新概念の説明の不足。アメリカの軍隊の補助的な意味合いが一層強まっている、災害や後方支援・グレーゾーン、救助など、自衛隊の活動内容はこれまで以上に拡大される、といったところ。


ちなみに、整備法だけで、案文88p、新旧対照表は132p、参照条文147p、要綱21p、新規制定の法案で、案文20p、参照条文3p、要綱17pのボリュームあるものである。

これをすべての国会議員が理解しているとは到底思えないし、110時間で議論できる分量でないように思う。



平和安全法制について。

平和安全法制整備法:我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等 の一部を改正する法律

【整備法】
1.自衛隊法
<旧>武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
<新>武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

(グレーゾーンへの対応)
そして、

同項に次の各号を加える。
 一 我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は我が国に対する外部からの武力攻撃が発生 する明白な危険が切迫していると認められるに至つた事態

二 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、 国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態

第84条
第八十四条の四の見出しを「(後方支援活動等)」に改め、

一 重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律 第六十号)後方支援活動としての物品の提供

二 重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)後 方支援活動又は協力支援活動としての物品の提供

三 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)大規模な災害に 対処するアメリカ合衆国又はオーストラリアの軍隊に対する物品の提供

四 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律(平成二十七年法律第  号)協力支援活動としての物品の提供

「後方地域支援」を「後方支援活動又は協力支援活動」に改め、・・・・
「輸送」の下に「及び大規模な災害に対処するアメリカ合衆国又はオーストラリアの軍隊に対する役務の提供

を加え、さらに次の五項を追加。


五 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律部隊等による協力支援活動としての役務の提供及び部隊等による捜索救助活動

「自己と共に当該職務に従事する者」を「自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員若しくは当該職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者若しくは自己と共にその宿営する宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合」に改め、・・・

第95条

「武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線 設備若しくは液体燃料」を「武器等」に改める

第九十五条の二 自衛官は、アメリカ合衆国の軍隊その他の外国の軍隊その他これに類する組織(次項において「合衆国軍隊等」という。)の部隊であつて自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動(共同訓練を含み、現に戦闘行為が行われている現場で行われるものを除く。)に現に従事しているものの武器等を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる


2.国際平和協力法
国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律

3.周辺事態安全確保法 → 重要影響事態安全確保法に変更
重要影響事態に際して我が国の 平和及び安全を確保するための措置に関する法律

4.船舶検査活動法 重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律

5.事態対処法 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和及び独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

6.米軍行動関連措置法 → 米軍等行動関連措置法に変更
武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律

7.特定公共施設利用法 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律

8.海上輸送規制法 武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律

9.捕虜取扱い法 武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律

10.国家安全保障会議設置法

【新規制定】
国際平和支援法:国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律



原発労働者(講談社現代新書)

現代ビジネスの連載で、寺尾紗穂さんはコラムの執筆を続けていた。

寺尾紗穂 原発で働くということ

原発で働いている人のことを私は知らない。
そうした知らない人を踏みにじって、私たちは電気を使っている。


土方さんの仕事の闇は、原発に限ったことではない。
下請け構造が多層化している分野においては、どこも労働者の待遇はひどいのかもしれない。

そうした危険を理解しながらも、働かざるをえない人がいる。
貧しさ、人間関係、生まれ、家庭環境、さまざまな背景とその人の仕事は結び付けられ、縛られている。

巨大なエネルギーをもった動力を得るために、失われているものは何か。

本著は失われたもの、失われつつあるものに目を向ける。

本当に「原発」は仕方のないものだろうか?
とりあえず、現状維持で徐々に代替エネルギーに減らしていこうよ、そうした技術の進歩を待とう。

涼しい部屋のなかで、そうした会話がなされ、事故の記憶が風化されていく間にも、原発労働者は汗を流し、被曝し、働いている。

寺尾さん一人の力で、本書の内容だけで、彼ら労働者を救うことはできない。
歌をうたう彼女は、それだけでは救えないものがある、多くの状況に直面してきたのだと思う。

本書が伝えていることは、多くの人がそうした人に寄り添い、自分に身近なものであるという「当事者性」を感じてもらうことだ。

本書のことを、もっと多くの人に知ってもらいたい。
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安保法制に反対する学者の会」というサイトがある。

これによると、ブログ執筆現在(7/14)、安全保障関連法案に反対する学者の会に 賛同を表明しますとしている学者が9,766人、市民が17,643人となっている。

呼びかけ人のなかには、上野千鶴子、内田樹、岡野八代、小熊英二、西谷修、益川敏英、間宮洋介など、著書を多く出している学者も含まれている。

また、「戦争をさせない1000人委員会」というサイトもある。

こちらでは、呼びかけ人に、赤川次郎、永六輔、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、香山リカ、高畑勲、瀬戸内寂聴、鳥越俊太郎、なかにし礼、森達也など、映画監督、作家などの顔ぶれも目立つ。

1000人委員会が、6月末に首相と衆参両議長に提出した反対署名は165万人分のものだという。(安保法案反対署名165万人 千人委員会、首相らに提出

また、学生グループ「SEALDs」の活動でも、多くの著名人や研究者を招いて講演・イベント・デモを行っている。

東京はもちろんのこと、京都、大阪でも行われており、学生だけでなく、小林節、菅直人、志位和夫、津田大介などの著名人も加わっている。

京都で、今日の夕方行われるシンポジウムでは、君島東彦(立命館大学教授 憲法学・平和学)、永田和宏(京都大学名誉教授・京都産業大学教授 細胞生物学)、山室信一(京都大学教授 政治学)が登壇する予定。

また、弁護士も動いている。

女性弁護士が安保法制に反対の集会

これには、140人の弁護士が参加したという。
そもそも、日弁連は安全保障法制改定法案に反対する会長声明を打ち出している。

また、各県議会においても、違憲ではないかとの意見書が相次いで出されている。

安保関連法案への意見書提出自治体リスト(参院分)


もちろん、世論貯砂でも、反対違憲が賛成を上回る状況になっている、

安保法案、国民支持広がらず 各社調査で「反対」目立つ

加えて、新国立の建設費の高騰の件もあり、自民党の強引な国会運営への信頼が揺らぎつつあるにもかかわらず、強行採決によりさらに敵を作ることになっていいのだろうか?

国会のルール上、議員数はそろっているので、法案を成立させること自体は可能だ。
しかし、世論の反発、各著名人・研究者の反対の声が多くあがるなかで、今後こうした政府に協力的な風潮があるだろうか?反政府ムードが増し、厭世的な世論が広がるばかりではないだろうか。

政府に対する信頼感が揺らげば、その不信感は他の法案にも及ぶ。

敵を作ってまで、本当に法案を通さなければならないものなのか、立ち止まって考えることがそんなに難しいことなんだろうか。

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イルカと泳ぎ、イルカを食べる (ちくま文庫)

イルカやクジラをめぐる文化と保護の対立問題。

価値観の対立しがちな面倒な問題だけれども、著者は両者の視点をうまく整理して、なるべく中立的な立場から具体的な事例を教えてくれる。

感情的な部分をなるべく排除して冷静に両者の論理を眺めてみる。 「なんでイルカばっかり注目するんだ?」という漁師の素朴な疑問、

「他にもいっぱい魚はいるのにどうしてイルカを食べるの?」という愛護者の疑問、それらはどっちも素朴な自分の価値観からくるものだ。

一方で、漁獲量のごまかしが過去にあった事実、日本に限らないが、乱獲によって個体数が激減した事例もあるのもまた事実だという。
一田舎のおっちゃんの集まる漁業組合の現場で、実際にデータに基づいて適正な量の漁獲を行う、というのは、よくよく考えれば難しいことは分かる。
でかい網を投げたら、保護種か否かに関わらず、ひっかっかちゃうんだもの。そんな現場の声は、頭で考える「保護」の難しさを考えさせられる。

いま、水族館のイルカショーは、少しずつ変わっているように見える。自然との共生、イルカとの共生を前面にアピールしているのが分かる。
しかし、もう一歩先の段階に進み、繁殖・自然への回帰・個体数の増加など、様々な試みに取り組まなければ、水族館も動物園もその存在意義を疑われる時代になっていると思われる。


個人的には、イルカショーなんかは、とても重要な客寄せになっているし、そのあり方もずいぶん変わってきているので、水族館が動物たちを保護し繁殖させる活動を維持するための資金を得るために必要、と考えれば、ある程度は仕方ないのかな、と思います。
ただ、イルカと触れ合うのも、いろんな形があるので、単にショー的な観客型のアミューズメントでなく、もっとふれあいや対話、といったコミュニケーション型のやり方もあっていいのかもしれない。


川端裕人さんは、『PTA再活用論』などで、現在のPTAについても疑問を投げかけるなど、最近でも記事で話題になり、その活動の幅は広い。 こうした「めんどくさい」問題に真剣に向き合っている人なんだなぁと思う。



社説:視点・安保転換を問う 抑止力=論説委員・倉重篤郎

2014年7月の集団的自衛権に関わる安保法制の閣議決定がなされ、そして安保関連法案が審議入りし、改めて集団的自衛権と憲法、そして安全保障をめぐる議論が活発化している。

8月には、首相の戦後70年談話が控えている。それまでに、安保法制を固めたい、というのが政権の意向だと思われる。


植木千可子 平和のための戦争論: 集団的自衛権は何をもたらすのか? (ちくま新書) 

こちらの本を読んだ。

本書は、現状を踏まえ、これまでの安全保障政策や戦争や抑止力、外交の問題を丁寧に整理している。

政府の広報は、明確な説明が十分になされていないと今でも思うし、世論もそうなっているが、本書のレベルで十分に説明してくれれば、ある程度納得できる部分もあるだろうに、と思う。

つまるところ、何のための安全保障で、何のための集団的自衛権であるか、というところが最も重要で、それが「平和」のためであるならば、もっとその効用について議論されるべきである、という点だ。

「平和」のために、本当に集団的自衛権を容認しなければならないのか。

テロや戦争が起こらないよう、予防的な支援外交を行う、日本と中韓など、緊張関係にある国との関係を良好にする、など他の選択肢はないのか。

そして、第二次世界大戦へと向かうことになった日本が行った過去の戦争について、本当に国内で検証され、二度とそうしたことが起こらないように、また同じことを他国にさせないように、反省とその対策研究がなされたのか。

こうした議論がまだまだ積み残っている段階で、安易に強行採決してよいのか、疑問に思う。

著者は、本書のなかでも、また新聞記事・講演などでも、まだ十分に議論されておらず、「抑止」のために本当に適切な法案なのかと疑問を呈し、また様々な提案を行っている。

そして、「戦争は割に合わないと思えるような戦争防止のルール作りなどが大切」としている。


著者の最終章の言葉は重い。

特攻隊に志願し、死以外の選択肢が無かった当時の若者を引き合いに、こう述べる。

”当時の日本人には、戦争を選ぶ権利も責任もなかった。いまの私たちには、その権利と責任がある。決めるのは、私たちだ。”