渋谷で全速力で働く27歳のブログ -6ページ目

渋谷で全速力で働く27歳のブログ

仕事は全速力、プライベートはゆるゆるな27歳男子がジェントルな30代を目指すためのブログです。

渋谷で全速力で働く27歳のブログ-SN3F0091.jpg

久しぶりにお芝居を見てきた。
宅間孝行率いる東京セレソンデラックスが演じるは『くちづけ』。
フィットネス関連の僕のお客さんが劇団を協力しておりお誘いを受けたのがきっかけだ。

簡単にあらすじを記す。
知的障害者が共同生活を営むグループハウス「ひまわり荘」。ある日、一時一世を風靡した漫画家「愛情いっぽん」が知的障害を持つ娘のマコを連れてやってくる。
マコは既にひまわり荘で暮らす同じく障害をもつ「うーやん」と出会った。二人は徐々に惹かれあう。
愛情いっぽんは住み込みで娘のマコを支えるが、彼の身体は病に蝕まれていた。余命いくばくもないいっぽんは娘を自立させるよう決意するが…。

幾重にも現実の問題が嫌でも突き出される。健常者が無意識で抱く知的障害者への偏見や差別。採算が厳しいグループハウスの経営。彼らが安らかに過ごせる環境は限られていた。


内容はどう考えたって重い話。それでも生の舞台を目の前にすると、そんな考えはほとんど抱く余地はなかった。どんな暗い話題も純粋に生きるエネルギーが笑いに変えてくれる。相手を思いやる温かいものがじわじわと伝わってきた。

結末には、視界がぼやけるくらい胸が締め付けられた。


終幕後の演者の挨拶。
マコを演じた加藤貴子さんは、言葉に詰まりながら話す。
『わたしたちは、一回一回の舞台を本当に丁寧に細かく演じています。先ほどいただいた温かい拍手に勇気をもらいました。本日は本当にありがとうございました』。
自分の膝下になるくらい深く深くお辞儀をする。

拍手が鳴りやまなかった。
僕の手も、自然と手のひらを強く叩いていた。舞台の役者と観客が同じ高揚感を完全に共有していた。
映画でも話題の湊かなえの著作。

会社の後輩にたまたま借りて一気に読んだ。

主要登場人物5名の独白が物語をリレー形式で紡ぎ、立体的に事実関係と心情を浮かびあがらせる。


ある中学校に勤める教員の幼き娘が、中学校内で事故死した。教員はシングルマザーだった。教員はなぜ、娘が学校内で死なねばならなかったのかを探し求め、犯人にたどり着く。

犯行は自分のクラスの二人の生徒によるものだった。

語られる真相。
そして、たったひとつの復讐が果たされる…。


この小説は何を語るのだろう。

倫理観、冷静なる狂気、劣等感、既に失われたはずの愛情への渇望…。いくつかのキーワードが脳裏をよぎる。

白でも黒でもない灰色の感情がつねに深層深くで蠢いているようだった。


面白い小説ではあるが、決して人に勧めようとは思えるものでもない。

ただ、それでも映画も見てみたいと思ってしまった。

お客さんに全国でフィットネスを展開している企業がある。僕はまずは吉祥寺の店舗からお仕事をいただいた。

先月頭によくしてもらった担当者が南浦和に異動になった。

昨日のこと。携帯に南浦和に移ったTさんから電話がかかってきた。『南浦和でもプロモーションを考えているんですが、相談に乗ってもらえませんか?』
いの一番、『もちろんです!』と伝え、昨日の今日で南浦和の店舗を訪れた。

ターゲットは30~50代女性。店舗の強みや、現状の施策、今後のビジョンを丹念に議論した。
あらかた打ち合わせのテーマが済んだ後、Tさんはこんな話をした。

『うちの店舗はまだましですよ。店内はこんなの綺麗で温浴や岩盤浴もある。だからまだもっている。でも何年かしたらこのままというわけにはいかないでしょう。僕たちはまだまだWebは活用してこなかった。何かが悪くなってからじゃ遅いんです。だからいまのうちに下地は作っておきたい』

語り口は素朴で不安も入り交じっている。それでもなんとかいまよりもっとよくしたいという強い意志だけははっきり伝わってきた。

『個人的には横浜の店舗もなんとかしたいと思っているんです。あんなにリゾート気分が味わえて設備、景色、どれをとっても他社には決してひけをとらない。横浜は僕たちの象徴なんです。うちは店舗毎の独立採算性が基本だけど、やっぱりみんな横浜のことは気にしている。一緒に頑張っていきたいと思っているからでしょう。本当は他店舗を考える余裕はないはずですが』

この言葉を聞いて胸の奥が熱くなった。
僕はお客さんのこういう声が聞きたくて働いているのかもしれない。

自分にできることはどんなことでもしよう。


来週はこのTさんからお誘いを受けた会社が協賛する舞台を見に行く。

ずっと必要とされるように
帰り道に思案に耽った。