さて前回に引き続き「X-TRAIL」です。
なぜ、ナラティブなのか、を考察してみます。
まず、この商品の顧客層の拡がりを考えてみます。
ここは、3期に分けて考えられると思います。
初期段階では、横乗り系のスポーツギアとして販売していたと思われます。
ですから、車のスペックなどよりも、そういったスポーツをする際にどうすればストレスがなくなるかを考えて作られているのではないでしょうか。
濡れた板をそのまま積めるなど。
つまり車としてではなく、横乗り系スポーツの道具の1つと考えられたと思います。
2期目としては、そういったスポーツをたしなんでいる人や、やってみたいと思っている人、陸サーファーみたいな人達が購買していったのではないでしょうか。
年に2,3回スノーボードに行くくらいだけど、車はX-TRAILみたいな人達が急増していったと思われます。
そして3期目には、横乗り系のファッションとして、この車が認知され街乗りのSUVとしても拡がっていったのではないでしょうか。
たしかSUV車の中ではトップくらいの位置づけですよね。
つまり、他のSUVはターゲットとして、アウトドアの人達やサーフィンやスノーボードなどに使う人を狙っていたと思われますが、ほとんどのSUV車のCMは街乗りしてみたり、山道を走ったCMばかりだったので、X-TRAILのように走りよりも使いやすさや濡れ手もいい車内などの利用価値をしっかりと提示できなかった。
そこにX-TRAILは横乗り系スポーツの車ではなく、1つの道具として作り上げるという思想がそこにはあると考えられます。
次に、リアルでX-TRAIL JAMというスノーボードの大会や、X-TRAIL CUPといったウェイクボードの大会も開催されています。
これによって、SUVのターゲットとなる層をしっかりとキャッチしてしまったと思います。
X-TRAIL JAMではテリエ・ハーコンセンなど、僕がスノーボードをやり始めた頃から凄かった伝説のボーダーを呼んだりと、しっかりとした大会を作って、認知を広めていきましたね。
これによっても、X-TRAIL=横乗り系スポーツっていう図式が人々の頭にインプットされていきます。
またヴァーチャルでも、X-BLOGを使って車の利点や、スノーボードやウェイクボードの楽しさなどをアピールするなど、ぬかりがありませんね。
また、利用者の声を集めていますが、しっかりと趣味・スポーツの欄があり、そこには大抵スノーボードやサーフィンって書かれております。
これを見れば、あー、やっぱりそういう人達が乗る車なんだなと思わされるわけですね。
そしてグレマスの行為者モデルを使って考えてみても、例えば対敵対者には、この商品が横乗り系の車はX-TRAILが本物であると差別化される。
またマスコミも車としてのPRだけでなく、横乗り系スポーツの道具としても訴求してもらえる。
販売店は、ターゲットがはっきりしているので、売りやすくなる。
対消費者はスノーボード、サーフィンとX-TRAILを結びつけて考えてくれる。
これが年々と変わっていき、他のメーカーが同じような車を出しても、いまさら大会を開催するわけにもいかないし、どうしても2番煎じになってしまう。
またいわゆるオシャレなライフスタイルを持っている人が乗っているイメージから顧客層がどんどんと増えていく。
そして、街乗りSUVとしてシェアを伸ばしていく。
長々と書きましたが、こう考えてみました。
このCMの効果を考えた時、今後街乗りしているシーンとかを使ったらダメになってしまうでしょうね。
そうなると車として生活者が捉えてしまい、魅力がなくなってしまうでしょう。
今後はアメリカのXーGAMEでやっている新しいスポーツをCMで流すと効果的だと思いますがどうでしょう。