「サンデーサイレンス」
近年の日本競馬界、いや世界を見てもこれほど成功した種牡馬はいない。
出走する子供たちは次々とGⅠレースを勝ち、しまいにはヨーロッパ、アメリカなど諸外国にまでその子供たちの範囲は広がった。
わたしは初年度産駒がデビューした年のサンデーサイレンス産駒の成績を見て驚いた。
60頭出走して新馬、または未勝利を勝ちあがった馬が58頭いたのである。
これは驚異的な数字である。
100頭種付けしても1頭もつかない馬もいるし、産まれても競走馬として走れない馬もいる。
そんななかで60頭がすべて出走して、しかも58頭が勝ちあがる。
サンデーサイレンスの生命力の強さには感嘆した。
なぜにそんなにも強い生命力、そして競走馬として走る馬を出し続けられたのか?
血統的な背景とか専門的な部分はおいといて、その一端は彼の負けず嫌いな性格にあると思う。
母親の血統的な背景からあまり恵まれた子供時代ではなかったサンデーサイレンス。
自分を扱う人間からもそれほど大事にはされなかったという。
それがサンデーサイレンスの負けず嫌いな性格を形成にしたのではないか。
サンデーサイレンスはレース中に隣の馬に噛みつこうとしたことがある。
種牡馬時代も牧場を訪れるひとに噛みつくことでは有名だった。
そんな気の強さが生命力となり、走る馬を出し続けたのではないかと思っている。
プリークネスSは彼の真骨頂である“負けず嫌い”をおおいに発揮しているレース。
相手はライバル“イージーゴーア”
サンデーサイレンスが三流血統の庶民なら、こちらはバリバリの一流血統のお坊ちゃまクン。
父・アリダーは三冠レースすべてにアファームドの2着で涙をのんだ。
栗毛でマッチョな体つきは父譲り。
どちらかというとアメリカ人の多くはマッチョで明るい栗毛馬が好み。
マンノウオーやセクレタリアトの影響があるのかもしれない。
競馬ファンの多くはイージーゴーアを指示して、父・アリダーの無念を晴らすというドラマチックな展開を予想した。
しかし、青鹿毛で流線型の体つき、母親の血統は三流のサンデーサイレンスがアメリカの競馬ファンの夢を打ち砕く。
ゴール前の接戦は圧巻。もし、サンデーサイレンスの名前を一度でも聞いたこと、見たことがあるひとは見てほしい。
ほんとに素晴らしい負けず嫌いなのだ。