昨年ある番組で軍事評論家というひとがこんなことを言っていた。


「デイ・アフター・トゥモローという映画はアメリカのペンタゴン(国防総省)から流失した情報からつくられたんですよ」


その言葉にわたしは、なるほどと思った。


デイ・アフター・トゥモローは地球の気候が急激に変化して、氷河期のような時代になるというパニック映画である。


観たときにこの原案はほんとに映画関係者が考えたのかと思うほどあまりにリアルだった。


この冬はどこもかしこも暖冬で地球温暖化が懸念されている。


ものごとはなんでも片一方だけに偏るということはない。


暖かすぎれば、その反動で寒すぎる世界がくるのも必然である。


ずいぶん前にビートたけしが語った『振り子の理論』というのを思い出した。


振り子というのは片方に振れれば、もう片方にも同じだけの幅で振れる。


正と負の幅は同じでどちらかが余計になることはないというものだ。


人生の値が100としたら、負が10だったひとは正も10になる。負が90のひとは正も90になる。


正は良いこと、負は悪いこととした場合、悪いことが多かったひとには良いことも多くなる。


逆に悪いことも少ないひとは良いことも少ない。


どちらが良くてどちらが悪いということではない。結局、人生50対50ということだ。


もちろん、良くなるには本人の努力は不可欠であるが。


映画の中で北極の氷が解けると、その水が海水に流れ込み塩分濃度を低下させ温暖な海流に変化をもたらす、というセリフがある。


氷が解けることは海水の上昇だけではなく、海水の温度の低下もうながす。そこから太陽光で熱せられ蒸発した水分は雲になる。それが低温の空気にさらされ巨大な氷の粒となって降り注ぐ。それが適度ではなくいっぺんにやってくるのだ。


映画中にもでてくるが、実際にシベリアで発見されたマンモスの口と胃にははんでいた草が残っており、一瞬で凍ったことが想像できる。


テレビの軍事評論家はこうも言っていた。


「起きるか起きないか、ではなく、いつ起きるか、なんです」


非常に考えさせられる映画だった。


デイ・アフター・トゥモロー/デニス・クエイド
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